岡本太郎の作品の中でも、1970年の大阪万博でテーマ館のシンボルとして有名な太陽の塔の再生、製作過程にフォーカスを当てた企画展です。
順路に入るとまず新旧の太陽の塔、生命の樹の模型が目に入ります。赤い照明も塔内の雰囲気が出ていて一気に岡本太郎ワールドに来たという感覚。
大阪万博に「ベラボーなもの」が必要だと考えた岡本太郎の作品。1970年から2018年という半世紀を経ても塔の構想やデザインを新鮮に感じます。
太陽の塔製作までのデッサンが並ぶ中心には、石膏模型を製作する岡本太郎像。ここではなかなか聞くことができない肉声が流れていています。
その先にあるのが千秋美術館ならではのコーナー、1957年に秋田を訪問した際に撮影された写真が13点、同行した岡本敏子の手記が展示されています。
秋田での「原日本」や「なまはげ」との出会いは太陽の塔の製作にも影響を与え、岡本太郎と秋田の意外な接点を感じられます。
次はテーマ館に関する展示
テーマ館のミニチュア模型はとても魅力的で観ているうちに、万博の館内を体感できそうな気持ちに。また、写真を撮る人も多くみられました。
その裏側には復元作業の映像、使われた模型などが展示されています。
万博から半世紀過ぎた今、最新技術を使いながら試行錯誤して再現する貴重な過程を観ることができます。
太陽の塔エリアの最後には仮面と再生された地底の太陽。
縄文や呪術的なものへの興味、再製作への流れを観てきてここに到達すると、岡本太郎が作り上げたものへの理解が深まったように感じました。
そしてカラフルな岡本太郎の絵画彫刻ゾーン。こちらは太陽の塔製作前後の岡本太郎作品が並び作風の変化を観ていくことが出来ます。
どの作品もエネルギッシュで最後未完のままの作品も、これでもかというパワーを感じ生涯「芸術は爆発だ!」の通りであったのだなと。
今回の展覧会、全て撮影OK。こちらは是非誰かにお願いして自分も入って記念撮影してもらいたいですね。
大阪万博は場所や時代的にも遠く感じてしまいますが、東北や秋田との接点、2018年の太陽の塔再生、内部公開再開など展覧会を通じて身近に思うように。
また、高校生以下は無料で学生さんも多く来館していました。夏休みにご家族ご友人と楽しみながらカメラを片手に観てみるのはいかがでしょうか。
[ 取材・撮影・文:naomiracleart / 2020年7月27日 ]
エリアレポーターのご紹介 | naomiracleart 心踊る作品や体験を求めて美術館や展覧会を巡っています。 作者や展覧会の魅力を伝えられる文章、写真を日々鍛錬中。 インスタグラム [naomiracleart]
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