山口蓬春の眼差しと表現

    水、その生命の源を描く

    山口蓬春記念館 | 神奈川県

    海道・松前に生まれた山口蓬春(1893-1971)の生家は、松前城二の丸跡にありました。その生家から臨む津軽海峡の景色はその後の原風景となったのでしょうか。戦後、葉山に移り住んだ蓬春は、邸宅から眼下に海を見下ろすこの葉山一色の地で数々の名作を創造しながらその生涯を終えました。 「今、住んでいる所が、湘南の海村なので此頃の画材の多くは殆ど現在の環境からとっています。」(山口蓬春「夏の印象」『三彩』第48号、昭和25年〔1950〕) そう蓬春が語るように、この頃から魚や貝といった海をイメージさせる作品を多く描くようになります。時にアイオン台風を二階の旧画室の窓から身を乗り出すようにして描いた《濤》や海辺の景色を描いた《夏の印象》など、陽光溢れる葉山の海を通じて蓬春は、西洋の近代絵画の技法を取り入れた、これまでにない新しい日本画の表現となる「蓬春モダニズム」と呼ばれる作品を生み出したのです。 海は、生命の源であり、「水」から成る。「水」は、雨となって天から降り注ぎ、湖を創り、滝となって山河を下り、また海へと還ってゆく――。四方を海に囲まれ、水源豊富な日本において、「水」は身近な自然の形態であり、また四季の織り成す風情として日本人の感性を刺激し、蓬春のみならず古来より絵画のモティーフとして取り入れられてきました。戦前より《緑庭》や《鯉》など「水」をモティーフにした作品を数多く描いていた蓬春ですが、何れも自然に対する真摯な眼差しを窺うことができます。 本展では、蓬春の描く「水」の表現に注目し、水をめぐる軌跡を辿りながら戦前、戦後を通じた蓬春の画業の変遷を探ります。
    会期
    2017年9月30日(土)〜11月26日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(但し、入館は16:30まで)
    料金
    一般 600円(高校生以下は無料)
    団体割引 100円割引(20名以上の団体で1週間前までに予約した場合)
    障がい者割引 100円割引(同伴者1名を含む)
    連携館割引 100円割引
    ※連携館:葉山しおさい公園・博物館(大人券のみ)、神奈川県立近代美術館 葉山(企画展一般券・学生券のみ)
    ※当館展覧会を何度でもご覧いただけるお得な年間入館券1,800円(発行月から翌年の同月末日まで有効)を発売中
    休館日 毎週月曜日(10月9日除く)、10月10日(火)
    公式サイト http://www.hoshun.jp/
    会場
    山口蓬春記念館
    住所
    〒240-0111 神奈川県葉山町一色2320
    046-875-6094
    おすすめレポート
    学芸員募集
    (公財)サントリー芸術財団 サントリー美術館 職員(運営担当)募集 [サントリー美術館]
    東京都
    読売新聞東京本社事業局 中途採用者募集! [読売新聞東京本社(大手町)]
    東京都
    【公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団】学芸員募集 [ポーラ伝統文化振興財団(品川区西五反田)141-0031 東京都品川区西五反田2-2-10 ポーラ五反田第二ビル]
    東京都
    丸沼芸術の森 運営スタッフ募集中! [丸沼芸術の森]
    埼玉県
    静岡市美術館学芸員募集 [静岡市美術館]
    静岡県
    展覧会ランキング
    1
    大阪中之島美術館 | 大阪府
    没後50年 福田平八郎展
    もうすぐ終了[あと11日]
    2024年3月9日(土)〜5月6日(月)
    2
    東京オペラシティ アートギャラリー | 東京都
    宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO
    開催中[あと52日]
    2024年4月11日(木)〜6月16日(日)
    3
    東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ) | 東京都
    逆境回顧録 大カイジ展
    開催中[あと17日]
    2024年3月16日(土)〜5月12日(日)
    4
    佐川美術館 | 滋賀県
    ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―
    開催中[あと45日]
    2024年3月30日(土)〜6月9日(日)
    5
    SOMPO美術館 | 東京都
    北欧の神秘 ― ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画
    開催中[あと45日]
    2024年3月23日(土)〜6月9日(日)