旅する画僧・金谷　－ 近江が生んだ奇才 ー

滋賀県立近代美術館移動展示事業・草津宿街道交流館春季テーマ展 「旅する画僧　金谷―近江が生んだ奇才―」 湖国滋賀を代表する絵師のひとりに、現在の草津市下笠町出身の横井金谷(1761-1832)がいます。 金谷は、大坂、江戸、京都、名古屋と各地を転々と放浪する中で、あるときは謹厳な僧侶として生活に苦しむ人々を救済し、あるときは破戒僧として悪所に通い、あるときは山伏として大峰入りし、またあるときは絵師として筆を執りました。 滋賀県立近代美術館・滋賀県立琵琶湖文化館・草津市立草津宿街道交流館の共催で開催する今回の展覧会では、３館の所蔵する金谷作品がゆかりの地・草津に一堂に会します。 また、平成27年度に近代美術館が寄贈を受けた「洛東春興図」の修理を行うことが叶い、このたび初公開いたします。 「洛東春興図」は京都の東山界隈の賑わいを描いたと考えられる作品で、虚無僧や大原女、石を担いで運ぶ人など、様々な人々が行き交う様子を描いています。 お花見帰りでしょうか、桜の枝を肩に担いだ一行も描かれており、春の陽気が伝わってきます。 本展覧会を通じて、郷土の絵師•金谷を広く知っていただくとともに、文化財の保存と修理について考える契機となれば幸いです。 なお、今回の展示は滋賀県立近代美術館のコレクションを中心に、近代美術館・県立琵琶湖文化館・当館の３館で共催です。