世界の眼でみる古墳文化

15万基のモニュメント

九州から東北まで(最終的には北海道にも伝播)、日本各所で見られる古墳。西暦250年頃から約350年間に築かれた日本の古墳は、その規模と築造数で、世界でも稀な存在といえます。世界の目線で日本の古墳を考察する展覧会が、国立歴史民俗博物館で開催中です。

  • 展示室A
  • 《三角板革綴衝角付冑》大阪府七観古墳出土 国立歴史民俗博物館蔵
  • 《装身具》晋 3~4世紀 国立歴史民俗博物館蔵
  • 《金銅製帯金具》(レプリカ)5世紀 大韓民国 慶尚北道林堂7B号墳 国立歴史民俗博物館蔵
  • (右)《英雄像》安彦良和 2018年 個人蔵
  • 展示室A
  • 重要文化財《武装具》5世紀 熊本県マロ塚古墳 国立歴史民俗博物館蔵
  • 展示室B
  • 重要文化財《石人・石馬》(レプリカ)6世紀 福岡県岩戸山古墳 国立歴史民俗博物館蔵

国立歴史民俗博物館の第1展示室[先史・古代]が2019年にリニューアルオープンする事に先駆けて始まった本展。会場は5章構成です。

まず展示室Aの第1章「王権とモニュメント」から。権威を象徴するモニュメントとして、日本における古墳は代表格といえる存在です。

第2章「王と墓:権威と象徴性」では、世界5地域(中南米、北米、ヨーロッパ、韓国、中国)の先史モニュメントと、日本の古墳を比較。日本にある古墳は約15万基。大規模な墓がつくられる一方で、城や都市がほとんど発達していないのは日本の特筆といえます。

第3章は「古墳時代の王の姿」。古墳の副葬品や埴輪などから、祀られた人の姿に迫ります。

ユニークな試みが、第4章「古墳へのまなざし」。現代のアーティストが古墳時代に向けるまなざしとして、『機動戦士ガンダム』で知られる安彦良和さんによるオリジナルイラストが展示されています。時代考証に基づいた作画は制約がありそうですが「意外に楽しかった」という事です。

第5章は「古墳を見る「いま」の眼」。古墳の調査研究などを紹介していますが、これは展示室Bに続きます。

展示室A


展示室Bは、薄暗い会場。6世紀装飾古墳をリアルに感じてもらおうという趣向で、奥にあるのは、熊本県千金甲1号墳石室の実物大模型。石室内の装飾壁画が鮮やかに浮かび上がります。

周囲には、日本画家の日下八光(1899-1996)氏が制作した、装飾古墳の模写も。現物は経年劣化が避けられない中で、ある時点での記録は、未来に情報を伝える手段として極めて重要です。

考古遺物の伝承には、レプリカ(模型)も欠かせません。実物ばかりが注目される中、保存・公開を考えると、レプリカはもっと評価されても良いはずです。自戒も含めて、考え直したいと思います。

展示室B


大山古墳(仁徳天皇陵)などを有する百舌鳥・古市古墳群は、今年1月に世界遺産候補として推薦されました。今後、ユネスコで審査され、決定は2019年夏ごろ。朗報を期待しましょう。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年3月5日 ]



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ミュージアムの詳細

展覧会の詳細

会期

2018年3月6日(火)~5月6日(日)