カルティエ、時の結晶

空間構成も見どころです

日本では1995年(東京都庭園美術館)、2004年(京都・醍醐寺)、2009年(東京国立博物館・表慶館)に次いで4回目となるカルティエ展。今回は初めて、1970年代以降の現代作品に焦点を当てました。新素材研究所 / 杉本博司+榊田倫之による構成も見もの、会場は国立新美術館です。

  • 序章「時の間」ミステリークロック、プリズムクロック
  • 《シングル アクシルのミステリークロック》カルティエ、2015年 カルティエ コレクション
  • 第1章「色と素材のトランスフォーメーション」
  • 第2章「フォルムとデザイン」
  • 第2章「フォルムとデザイン」
  • 「パンテール」
  • 「カルティエ アーカイヴ」
  • 第3章「ユニヴァーサルな好奇心」
  • 第3章「ユニヴァーサルな好奇心」

フランスのジュエリーメゾン、カルティエ。ルイ=フランソワ・カルティエが1847年に創業し、孫の代に急成長。世界各国の王侯貴族を顧客とし「Jeweller of kings , king of jewellers 王の宝石商、宝石商の王」と称されます。

これまで開催されたカルティエ展は、いわゆる「カルティエ コレクション」の歴史的な作品が中心となっていましたが、今回は初めて現代作品に注目。1970年代以降の創作から、カルティエならではの革新性・独自性を探っていきます。

会場構成は、新素材研究所 / 杉本博司+榊田倫之。IZU PHOTO MUSEUM、MOA美術館、江之浦測候所など、さまざまなミュージアムを手掛けていますが、展覧会の会場構成は今回が初めてです。

展覧会タイトルは、「カルティエ、時の結晶」。長い時間をかけて生成される宝石に思いを馳せて、「時間」をテーマに構成しています。



会場は、時間が逆行する時計塔から。続く序章「時の間」では12本の光の柱に、カルティエを代表するミステリークロック、プリズムクロックが並びます。

不思議に思えるのが、ミステリークロックのライン。ムーブメントが台座などに隠れているため、時針が宙に浮かんでいるように見えます。

第1章は「色と素材のトランスフォーメーション」。素材や色彩の観点から、カルティエの作品を解説します。

石の技法「グリプティック」は、硬い石に直接彫刻を施す高度な技。職人の優れた技術を次世代に継承するのも、カルティエの使命です。

「マルケトリ」は象嵌の技法。石だけでなく、麦わら(!)やバラの花びらなど、オーガニックな素材を用いた新たな展開も見られます。

第2章「フォルムとデザイン」は、石の洞窟を思わせるしつらえ。井桁状に組み上げられたのは、火山噴出物が凝結した凝灰岩。無骨で素朴な岩に、洗練された宝石の輝きが光ります。

この章では、視覚的な新しさをいくつかのキーワードで紹介。「アクシデント」で展示されている歪んだ時計は、自動車に踏みつぶされた腕時計を顧客が工房に持ちこんだ事から生まれました。

第3章「ユニヴァーサルな好奇心」は、世界各国の文明文化から影響を受けたカルティエのクリエイティビティについて。

私たちが文化の違いを超えて、ひとつの地球に共存している事を示すように、楕円状に輪になったケースを用いた展示です。

もちろん、日本もカルティエのモチーフに。梅や桜の他、印籠などの工芸品もカルティエのデザインに取り込まれています。

展覧会には、ちょっと珍しい展覧会のガイドとなる端末も。番号を押すのではなく、解説が用意されている場所に近づくと、自動的に聞けるようになります。貸し出し無料というのも嬉しいポイントです。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年10月1日 ]

新素材研究所 © N.M.R.L. / Hiroshi Sugimoto + Tomoyuki Sakakida

カルティエ現代美術財団コレクション展カルティエ現代美術財団コレクション展

吉田 紀子 (翻訳), フォイル カルティエ現代美術財団 東京都現代美術館

フォイル
¥ 3,027

 

ミュージアムの詳細

展覧会の詳細

会期

2019年10月2日(水)~12月16日(月)