象嵌とは、地の素材となる金属、木材、陶磁などを彫り、そこに金、銀、貝、地と異なる色や種類の木や陶磁など、他の材料を嵌め込んで模様を表す技法であり、練上とは、異なった色の付いた土を重ねたり、練り込んだりして模様を出す技法です。
本展では、陶芸に象嵌技法を取り入れた第一人者の今井政之、中国の唐時代より存在する練上技法の第一人者である松井康成(重要無形文化財「練上手」保持者)、また象嵌に縄目を施した縄文象嵌という独自の技法を持つ島岡達三(重要無形文化財「民芸陶器(縄文象嵌)」保持者)の作品を展示致します。色の付いた土を練り込む、嵌める、という似通った技法の2つ。色土の収縮率の違いにより、亀裂や割れが生じやすい難しい技法を駆使した作家たちの精緻の技を皆様にご紹介致します。
また、同時開催として、「女たちの肖像」を開催致します。江戸時代浮世絵などで美人画が流行し、美人画は当時の美人の代名詞であり、象徴として描かれてきました。近代になるとヌードの概念も定着していき多種多様な女性像が生まれました。
美人画の大家として名を馳せた伊東深水や、多数の婦人像を描いている鴨居玲の作品をはじめ、当館の逸品岡田三郎助《水邊裸婦》や裸婦像で有名な寺内萬治郎の作品など、近代以降の様々な女性像の作品を展示致します。作家各々の持つ美の象徴である女性像をご覧ください。
その他、常設で隠﨑隆一の備前焼作品3点展示。絵画で