「ヌード NUDE -英国テート・コレクションより」展を紹介する、横浜美術館学芸員の長谷川珠緒氏
2018年月2月27日(火)、横浜美術館は、2018年度に開催される企画展について記者発表を行った。
2018年度は4本の企画展を開催。会期と内容は以下。
「ヌード NUDE -英国テート・コレクションより」は、英国テートの所蔵作品で、西洋美術200年にわたる裸体表現の歴史を紐とく企画。ロダンの大理石彫刻《接吻》は初来日。ロダンの生存中に制作された大理石像の《接吻》は3体のみで、当作は最も美しいと称されている。「物語とヌード」「親密な眼差し」「モダン・ヌード」「エロティック・ヌード」「レアリスムとシュルレアリスム」「肉体を捉える筆触」「身体の政治性」「儚い身体」の8章構成。2016年でシドニー(オーストラリア)で始まり、オークランド(ニュージーランド)、ソウル(韓国)と巡回した国際巡回展。国内では横浜美術館のみでの開催となる。会期は2018年3月24日(土)~6月24日(日)。
「モネ それからの100年」は、印象派を代表する画家、クロード・モネ(1840-1926)の初期から晩年までの作品25点と、モネの独創性を引き継いだ抽象表現主義から最新世代に至るアーティスト26作家の作品とを一堂に展覧するもの。「新しい絵画へ」「形なきものへの眼差し」「モネへのオマージュ」「フレームを越えて」の4章で、章ごとにモネの作品とそれに対応する現代作品を展示する(3章を除く)。「100年」は、モネが《睡蓮》大装飾画(オランジュリー美術館蔵)の制作に着手してから100年を意味している。展覧会は名古屋市美術館との共同企画で、名古屋展(4月25日〜7月1日)に続いて7月14日(土)~9月24日(月・休)に開催される。
「駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙 ルドンを愛した銅版画のパイオニアとその時代」は、日本における銅版画の先駆者、駒井哲郎(1920-1976)の大規模展。版画や舞台美術、装幀の仕事など計約200点とともに、関連作家作品約50点を展示。様々な芸術家たちとの交流にも言及し、駒井芸術の多面性を浮かび上がらせる。「銅版画との出会い」「戦後美術の幕開けとともに」「前衛芸術との交差」「フランス滞在と「廃墟」からの再生」「詩とイメージの競演」「色彩への憧憬」の6章構成の予定。会期は10月13日(土)~12月16日(日)。横浜美術館による独自企画展。
「イサム・ノグチと長谷川三郎 ―変わるものと変わらざるもの」は、日米の血をひく彫刻家イサム・ノグチ(1904-1988)と、モダン・アートと古来の美との親和性を主張した画家長谷川三郎(1906-1957)に焦点をあてた展覧会。二人が出会った1950年代を中心に、両者が目指した日本美術や東洋思想とモダニズム美術との融合とは何か、また、それぞれの作品にそれがどのように現れているかを辿る。出品作品は彫刻、絵画、版画、素描など約90点の予定、章構成は未定。米国ノグチ美術館(ニューヨーク)と、サンフランシスコ・アジアン・アートギャラリーとの共同企画。国内では横浜単独開催の後、米国に巡回する。会期は2019年1月12日(土)~3月24日(日)。
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