愛知県陶磁美術館「異才 辻晉堂の陶彫」
文 [エリアレポーター]
S.E. / 2020年5月23日
ペラペラの身体で読書を満喫
彫刻家の辻晉堂(1910~1981)の展覧会を見に、愛知県陶磁美術館に行ってきました。
展示施設は本館、南館、西館の3館。企画展は本館です。
戦前から戦後にかけて、長きに亘って彫刻の第一線で活躍した辻晉堂。今回の展覧会は、生誕110周年の記念展です。
「異才 辻晉堂の陶彫」展 会場入口
戦前には日本美術院展を舞台に、肖像彫刻などで脚光を浴びましたが、戦後に京都市立美術専門学校(現 京都市立芸術大学)の教授に就任してから、さらに飛躍。
陶土を用いた彫刻作品で、海外でも高く評価されました。
会場風景 写真提供:愛知県陶磁美術館
会場には、ヴェネツィア・ビエンナーレに出品された大きな作品をはじめ、さまざま作品が展示されていました。
会場風景 写真提供:愛知県陶磁美術館
会場風景 写真提供:愛知県陶磁美術館
中には、禅画でしばしば描かれる寒山と拾得の作品も。寒山には巻物、拾得には箒が定番です。良く見ると・・・分かりますか?
辻晉堂《寒山》昭和33(1958)年 鳥取県立博物館蔵(写真:TADAYUKI MINAMOTO)
一番目を引いたのが《緑陰讀書》。ペラペラの身体のおじいさんが、寝っ転がって読書中。見ている方までにっこりしてしまうような作品です。
辻晉堂《緑陰讀書》(りょくいんどくしょ) 昭和54(1979)年 信州高遠美術館蔵(写真:TADAYUKI MINAMOTO)
愛知県陶磁美術館は1978年に開館しました。常設展示は縄文時代から現代に至るまでの日本のやきものの歴史や、外国陶磁、現代陶芸、全国の古窯発掘資料など、盛りだくさんです。
かなりボリュームがあるので、鑑賞の時間配分にお気をつけください。
本館の常設展
南館 1階の常設展
この日は絶好の美術鑑賞日和でした。陶芸館はコロナで休館中だったので、次はやきものづくりを体験したいと思っています。
本館 切妻屋根が印象的です
エリアレポーターのご紹介 | S.E. 休日は時間ができると、ミュージアムをまわるのがいつのまにか習慣になりました。都会でも地方でも、気の向くままに足を伸ばしたいと思っています。
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