オランダの絵本作家、ディック・ブルーナさんによって描かれたミッフィー。オランダでは「ナインチェ」と呼ばれ、意味は「うさちゃん」ということで、日本でも絵本では「うさこちゃん」と呼ばれています。
入り口には鮮やかにデコレーションされたミッフィー像が。こちらはオランダと日本を舞台に始まる60周年企画「ミッフィー・アートパレード」で、日本のクリエーターが手がけたもの。会場内に彩りを添えます。
ブルーナさんの最初の絵本、『りんごぼうや』の原画は1953年の第1版と1959年の第2版が並んでいます。第1版では輪郭線が描かれていません。
会場入り口から本展では60年前に初めて描かれた「ファースト・ミッフィー」の原画が世界に先がけて公開されています。1955年の『ちいさなうさこちゃん』の第1版は、緩やかなタッチで描かれていますが、1963年に出版された第2版ではもう私たちの見慣れたミッフィーに。本の形も長方形から正方形に変わりました。
『ちいさなうさこちゃん』第1版から第2版展覧会では7つのうさこちゃんシリーズのスケッチ、原画、印刷原稿という貴重な資料が並びます。カラーの印刷原稿は黒のラインが少し浮いてセル画のよう。うさこちゃんシリーズのカラー原稿は1980年頃から、色紙の切り絵の上に、黒の線画フィルムが重ねられて作られているのです。
また、いくつかの不採用原稿も展示されていますのでご注目。採用されたものと見比べると描かれたものが微妙に違っています。
『うさこちゃんとあかちゃん』『うさこちゃんのてがみ』展示会場を出れば、可愛いミッフィーのグッズがたくさん並ぶ特設ショップが。オリジナル商品はなんと400アイテム以上という充実っぷりです。60周年記念のオリジナルチャーム付きのふわふわなぬいぐるみや、祖父江慎さんデザインのおしゃれなグッズなど、見逃せません。
オリジナルグッズショップ60年の歩みの中で、デザインが徐々に変わっていくミッフィーですが、その親しみやすさと可愛さは普遍です。
東京のあとは青森(6/6~7/20)、神戸(8/5~8/17)、福岡(12/29~1/11)、名古屋(3/12~4/10)、大阪(4/27~5/9)、島根(9/17~10/31)に巡回します。
[ 取材・撮影・文:川田千沙・古川幹夫 / 2015年4月15日 ]■ミッフィー展 に関するツイート