昭和の森(千葉市)に隣接した閑静な住宅街に建つホキ美術館。写実絵画だけを集めた美術館としては日本唯一で、「本物そっくり」だけではない写実絵画の魅力に溢れる美術館として、多くのファンに愛されています。
前回の企画展「第2回 ホキ美術館大賞展」では入選作が展示されていたため、いつもの作品は他館に貸し出し。半年にわたって秋田・大阪・広島・佐賀と巡回した70点が、里帰りしてきました。
企画展「画家の眼がとらえた美」はギャラリー1で、冒頭には森本草介さんによる《光の方へ》。2015年に死去した森本さんは写実界の第一人者で、美しい背中の裸婦には定評があります。
島村信之さんも裸婦の名手。光につつまれた女性を、細部まで繊細に描き出します。
ギャラリー1
階段を降りるとギャラリー2。回廊状の展示室が3層構造で繋がるユニークな建築も、美術館の特徴です。
森本草介さんの《横になるポーズ》は、コレクション第1号の作品。ホキ美術館では森本さんの作品を37点所蔵しています(本展では25点が出展)。
ホキ美術館のポストカード売上No1である生島浩さんの《5:55》や、島村信之さんの《浴》も目を引きます。
ギャラリー2
ギャラリー3には、戦後の抽象絵画の全盛期から一途に写実を追い求めてきた野田弘志さんの作品など。
「崇高なるもの」シリーズは大作で、「OP.3」は詩人の谷川俊太郎氏、「OP.4」はピアニストの岩崎淑氏。そして「OP.2」は美術館創設者の保木将夫氏を描きました。
ギャラリー3
最後のギャラリー8は常設展示。「私の代表作」として14人の作家が各1点ずつ、100号以上の大作を描きました。
このコーナーでは、それぞれの作品について音声ガイドも設置。3年ごとに展示替えされるため、現在の作品は2017年11月までの展示となります。
ギャラリー8
JR外房線土気(とけ)駅からバスで5分のホキ美術館。駅に集合し、館内のレストラン「はなう」のイタリアンランチとミュージアムトークがセットになった「てくてくプラン」も用意されています。詳しくは公式サイトでご確認ください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年5月18日(プレス内覧会) ]
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