
《『安井仲治ポートフォリオ』より (山根曲馬団 馬と少女)》 安井仲治 1940 (printed 2010)
大正・昭和戦前期の日本の写真を牽引した写真家の代表・安井仲治。
現代の作家にも影響を与え続けているその才能が、この一枚の写真にも凝縮されています。
幕によって画面が二等分され、左に馬、右に二人の少女が収まるグラフィカルでな構図は、白と黒の配分が見事です。濃い目のお化粧をした少女たちの風貌も相まってユーモラスですが、放浪するサーカス団の哀愁も漂うようです。
担当者からのコメント
当館のコレクションには馬に関連する作品が多くあるので悩みましたが、この一枚に決めました。
安井仲治は森山大道が「日本の写真のルーツにある“山脈”」と呼んだ偉大な写真家です。
おめでたい印象もあり、干支を飾るのにふさわしいのではないでしょうか。