
《駿馬図》
制作年不詳(民国時代・20世紀頃)。作者の陳(ちん)曽(そう)寿(じゅ)(1878〜1949)は字を仁先といい、蒼虬と号した。湖北の人。光緒29年(1903)の進士。官吏を勤めつつ詩人としての傑出した才能で知られ、また書画も得意とした。
馬は、前近代において最も優れた乗り物であり、その身体能力の高さに神秘性が感じられてきた。また重要な戦力でもあったため、武力の象徴でもあった。馬は他の吉祥物と組み合わされ、それがすぐに実現することを表すことも多い。本作は、唐・張籍「謝裴司空寄馬」詩に発想を得て描かれたものである。細かな毛並みや立体感ある写実的表現から、絵画においても非凡であったことがうかがえる。
投票は1日1回までとなります。