
《王昭君図》 橋本関雪 紙本墨画
中国四大美女のひとりと言われる王昭君が琵琶を携え、政略のため異国へ嫁がされる馬上の姿を描いています。墨の筆線のみで描く白描による表現が、伝説的な悲劇の姫君の清らかな美しさを際立たせているようです。作者の橋本関雪は、本作の遊印に「三世漁読」とあるとおり儒学者の家系に生まれ、自身も中国故事に通じていました。
担当者からのコメント
久米美術館は歴史家・久米邦武、洋画家・久米桂一郎、父子の記念館です。久米桂一郎は明治中期にフランスで西洋美術をまなび、帰国後も盟友・黒田清輝とともに本場仕込みの芸術活動を展開しましたが、晩年は日本美術の蒐集をいちばんの愉しみとし、少数ながら逸品そろいのコレクションをのこしています。本作はその1点で、ほかにも英一蝶、狩野常信、菱川師宣、谷文晁などの画をおよそ年1回のペースで展示しております。日本絵画ファンのみなさまのご来館をお待ちしております
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