
《マンモス牙製ウマ彫刻》 撮影:城野誠治
ロシア連邦サハ共和国ヤクーツクでつくられたサハ民族の彫刻作品です。
サハが飼育するウマは、冬の気温がマイナス50度を下回る地でも生きられるよう長い毛におおわれており耐寒性の高いことが知られています。
サハはウマとのかかわりが深く、現在のサハ共和国の紋章にもウマに騎乗した人の姿が象られています。本作品ではウマの背に載せられた鞍の下に美しく刺繍された鞍敷が表現されていて、特別な日のウマであることがわかります。
ウマの横にたっているのは、サハ語で「セルゲ」と呼ばれるウマつなぎです。実用だけではなく、家族・土地・宇宙観を象徴する、サハにとってはとても大切な柱です。2007年収蔵。
担当者からのコメント
温暖化の影響は北方地域にもおよび、永久凍土が融けてマンモスの牙や歯、ときにはミイラがみつかることも増えています。マンモスの牙は北方諸民族の間では古くから使われてきた素材です。断面にみられる網目状の線の角度によって象牙と区別することができます。
以前展示したサハのカレンダーには、毛の色の違いでウマが32種類にも分類されて紹介されており、サハとウマのつながりの深さを感じました。
投票は1日1回までとなります。