
《野生馬》 中村直人/制作年不明/リトグラフ
中村直人(1905~1981年)は、長野県小県郡神川村(現・上田市)に生まれた芸術家です。
少年期に山本鼎の勧めによって彫刻家となりましたが、1952年(当時47歳)に一転、パリに移住し、東洋的色彩のグァッシュ作品により好評を博しました。
帰国後は二科展会員となって制作をつづけ、リトグラフの頒布によって市民にも広く親しまれるようになります。
女性画で有名な直人ですが、墨画やそれを思わせるモノクロの風景画なども多く残しました。
本作では、直人作品でよく使われる「もみ紙」の手法で強い風に荒れる空や水面を表現し、反対に馬は体の凹凸感を描きこむことで、しっかりと存在感を際立たせています。
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