
《馬のギャロップ》 イードウィアード・マイブリッジ 1887年頃
写真家イードウィアード・マイブリッジ(1830~1904)による馬の動態写真。マイブリッジは、元カリフォルニア州知事で競走馬の馬主であったリーランド・スタンフォードの依頼で、馬が走っている瞬間の足の様子を写真にとらえようと撮影実験を開始します。当時の感光材料は感度が低かったため、撮影は困難を極めました。複数台並べたカメラと連結した糸を張り、馬が走ると糸が切れてシャッターが下りる仕掛けを作ったり、明るいレンズを導入したり、電極でシャッターを下ろすなどの工夫を重ね、ついに走る馬の連続写真の撮影に成功します。肉眼では見えない動物の動態を捉えた写真の数々は、当時の人々に衝撃を与えました。
担当者からのコメント
マイブリッジの動態写真は写真史/映像史の転換期にある作品で、特に《馬のギャロップ》は、現在も多くのアーティストにインスピレーションを与えて続けています。2026年1月24日(土)から始まる開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展「Mr.ネイラーの驚異の部屋(ヴンダーカンマ―)」でも展示しますので、是非実物をご覧ください。
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