
《黒漆塗蜻蛉紋散蒔絵馬具》(くろうるしぬりとんぼもんさんまきえばぐ)
真っ直ぐ進み、後戻りしない「蜻蛉(とんぼ)」は、古来から「勝ち虫」と呼ばれて、武家の持ち物の意匠として広く用いられました。
本資料は、戦陣用と思われる黒漆の馬具ですが、鞍橋(くらぼね)と鐙(あぶみ)に金蒔絵(まきえ)で蜻蛉紋を散らし、下鞍(したぐら)や力皮(ちからがわ)に金泥で蜻蛉を描いています。
また、本史料は、織田信長の弟・信包(のぶかね)が慶長3年(1598)から領主となり、一度断絶するも、元禄8年(1695)に信長の次男・信雄(のぶかつ)の子孫・信休(のぶやす)から約200年間続いた柏原藩・織田家の伝来品です。
担当者からのコメント
金色の蜻蛉がそこかしこにデザインされており、とても豪奢な雰囲気を漂わせる一品です。
織田家ゆかりの武将がこの馬具を使って戦場で馬を駆り、士気を高めていたのでしょうか。
戦に臨む武将の姿が垣間見えるようで、想像を掻き立てられます……。
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