びちゃ
作品の品揃えとして、水彩や習作、素描が多く、あまり期待していなかったが、そんなことは全く関係なく、ワイエスの持つ郷愁、空気感、儚さ、温かみ、素材感を十分に満喫できる内容だった。作品数も多かった。いわゆる代表作や有名な作品ではないかもしれないが、細かく丁寧な描写によって生み出される静謐さ、空気感はあらゆる作品に共通している。
写実絵画の特徴でもあるのか、アントニオ・ロペス等のスペイン写実絵画にも似た感覚があるなと思った。
水彩でもマチエールを感じさせるのは、初めての経験だった。館内のビデオで、ワイエスの技法について解説していたが、水分を切って、かすれた絵の具を何度も塗り重ねることによるのかな。
作品の多くに解説が付いていて、象徴となるもので人の存在を感じさせることも理解しやすかった。
残念だったのは、海からの風の習作が複数あったので、完成品の写しでもあったらイメージしやすかったなと思う。