横浜市民ギャラリーあざみ野のシリーズ展「あざみ野フォト・アニュアル」では、写真表現の現在を切りとる企画展と横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展を毎年同時開催しています。2025年度の企画展では、注目の若手写真家・上原沙也加の個展を開催します。本展では、90年代に沖縄に生まれた上原による、生活と地続きにある風景とそこに残された痕跡を丁寧に掬い取るようなアプローチに注目します。
【本展のみどころ】
1. 注目の若手写真家・上原沙也加の10年にわたる取り組みを概観する初めての個展
初の写真集『眠る木』に収録されているシリーズ「眠る木」から最新作まで、上原沙也加のこれまでの足跡をじっくりとご覧いただけます。
2. 沖縄島で撮影したモノクロ写真の新作「前の浜」を初公開
2025年慰霊の日の前後3日間に自室から慶良間諸島までを撮影した約200点のスライドショーと、その写真1点1点に付されたタイトルをたどりながら、ある日の旅に誘います。
3. 第49回伊兵衛写真賞ノミネート作品の台湾を取材したシリーズ「緑の部屋」「緑の日々」を展示
写真家・故木村伊兵衛氏の業績を記念し、1975年に創設された「木村伊兵衛写真賞」。本展ではノミネート対象となった2シリーズを沖縄島を写したシリーズと共にお楽しみいただけます。
出品作は、2016年から2022年にかけて沖縄島で撮影されたカラーのシリーズ「眠る木」と、最新作「前の浜」、そして2023年から取り組みはじめた台湾に取材したモノクロのシリーズ「緑の部屋」(「幽霊たちの庭」「アメリカの村」「平和の島」「花売りのおばあさん」)とカラーのシリーズ「緑の日々」です。既作・最新作から成る全4シリーズの写真群を通して、上原の約10年にわたる取り組みを概観する初めての個展となります。
この展覧会では、上原のレンズが捉えてきた、多様な文化と歴史が襞のように折りたたまれた「場所」と「時間」を見つめることで、鑑賞者がその土地を一歩一歩あるくように、沖縄と台湾、それぞれの風景に立ち止まることができる機会となることを願っています。
【関連イベント】
■アーティストトーク
沖縄出身の若手写真家・上原沙也加が本展に出品する沖縄島と台湾で撮影したシリーズについて語ります。
日時|1月24日(土)13:00-14:00
出演|上原沙也加(出品作家/写真家)
会場|2Fセミナールーム2・3
定員|60名(先着順、要事前申込)
料金|無料(要展覧会入場券)
※保育あり(要事前申込)
■対談 上原沙也加×長島有里枝
2019年に当館で個展を開催した写真家・長島有里枝さんをゲストに迎え、写真と言葉、生活と表現をめぐって、出品作家・上原沙也加と対話します。
日時|2月14日(土)17:30-19:00
出演|上原沙也加(出品作家/写真家)、長島有里枝(写真家)
会場|3Fアトリエ
定員|60名(先着順、要事前申込)
料金|500円
■担当学芸員によるギャラリートーク
本展を企画した担当学芸員が参加者の皆さんと一緒にまわりながら、出品作についてお話しします。より作品を楽しむための鑑賞のヒントとしてお役立てください。
日時|2月7日(土)14:00-14:30
会場|展示室1
※事前申込不要、無料
※当日は無料開放日(オープンデー)につき入場無料です。
【同時開催】
開館20周年記念 横浜市所蔵カメラ・写真コレクション展 Mr.ネイラーの驚異の部屋
公式サイトはこちら https://artazamino.jp/event/photoannual2026-collection