【企画展の概要 ―中高生と描き、ともに開催する展覧会―】
「森と海の美術展」は、東京都小平市にある武蔵野美術大学と石巻市博物館の連携による美術ワークショップです。
2024年度・2025年度は、同大学の樺山祐和学長が、石巻市とその周辺自治体から参加した中高生20名とともに、石巻の森と海でフィールドワークを行い、参加者は樺山学長からの助言や講評を得ながら、絵画作品の制作を行いました。
この成果展では、樺山学長とともに描いた中高生の作品を、樺山学長が石巻の森と海を描いた二枚一対の大作「顕」・「際」、木々を描いた作品群とともに展示し、それぞれが対話した森と海のすがたを展示室に浮かび上がらせます。
〇展示構成
第1章 「樺山祐和と描く ワークショップ「森と海の美術展」」
第2章 「樺山祐和が描く 陸の果てに立ち、いのちと向き合う」
〇展覧会情報
会期:令和8年1月10日(土曜日)から3月15日(日曜日)まで
休館日は毎週月曜日。ただし、月曜日が祝日・振替休日の場合は翌日休館。
場所:石巻市博物館 企画展示室
観覧料:一般600円/高校生300円/小中学生200円(20名以上の団体は2割引。)
主催:石巻市博物館・武蔵野美術大学
後援:tbc東北放送、ミヤギテレビ、khb東日本放送、仙台放送、河北新報社、三陸河北新報社
(石巻かほく)、石巻日日新聞社、ラジオ石巻FM76.4、一般社団法人石巻観光協会、
一般社団法人石巻圏観光推進機構
【関連イベント情報】
〇トークイベント「樺山祐和学長が語る、中高生とともに描いた石巻」
とき 2月28日(土曜日) 13時から14時30分まで
ところ 石巻市博物館企画展示室
講師 武蔵野美術大学 学長 樺山祐和 氏
題名 「樺山祐和学長が語る、中高生とともに描いた石巻」
その他 参加無料、予約不要。当日直接会場へお越しください。
〇同時開催展「MORI to UMI -若手作家・デザイナーたちによる『森と海の美術展』-」
とき 1月10日(土曜日)から1月19日(月曜日)まで 9時から17時まで 13日(火曜日)休館
ところ 石巻市指定文化財 旧観慶丸商店 1階 文化交流スペース
〒986-0822 宮城県石巻市中央三丁目6-9
内容 ワークショップで中高生とともに石巻を歩き、作品制作の指導をした武蔵野美術大学の
卒業生や大学院生による、もう一つの「森と海の美術展」。
その他 入場無料。
旧観慶丸商店ホームページ: https://kankeimaru.jp/
【展覧会の見どころ】
① 牡鹿半島の給分浜、御番所公園、のり浜や雄勝の波板海水浴場、女川の出島の景色や風土を追体験できるような絵画作品が展示されています。
② 絵画を鑑賞することで、中高生と樺山学長それぞれが対話し、感じ取っていた多様な石巻の森と海の魅力に触れることができます。
③ 樺山学長が長年描き続けてきた木や森を描いた絵画作品がお客さんを取り囲むように展示されており、まるで森の中にいるような体験ができます。
④ フィールドワーク等のワークショップについて知ることで、石巻の自然に向き合い、親しむアプローチを知ることができます。
⑤ 樺山学長がワークショップの中で語った言葉も展示されているので、絵画や自然をより深く理解するきっかけが得られます。
【陸の果てに立ち、いのちと向き合うー樺山学長の言葉】
森と海が大胆に力強く出会っている場所が半島です。
半島は岬と呼ばれます。
みさきの「み」は神との深いつながりを表しているそうです。
そこは自然が赤裸々にその姿を露わにし、生と死を感じさせてくれる場所であり、その地に私たちは神性や生命の力を見てきたのです。
そして現代人が忘れそうになっている大切なものに再び気づくことのできる場所です。
今回、「顕」(あらわれ)、「際」(きわ)というタイトルの二つの作品を制作しました。
図らずも海と森を描くことになりましたが、この地を描いたことに深い縁と不思議を感じています。
中高生みんなの純粋で率直な表現や考えが聞けたことも楽しかったです。
表現することは世界との対話であり、同時に自分自身との対話でもあります。
一つの作品が多様な言葉を引き出すことや、自己の意識や感覚が生き生きとしていれば、どんな世界でも素晴らしいものに見えてくることを知ったでしょう。
この経験が今後に活かされることを信じています。
武蔵野美術大学 学長 樺山祐和