本展は、“かつて誰かの生活を支えた素材”である廃材に新たな命を吹き込む富田菜摘さんの作品を通して、現代社会が抱える「ごみ」と「資源」の関係性、そして私たち自身の暮らしの在り方について、新たな気づきを促す展示となっています。
空き缶や調理器具、家電などの金属廃材からなる色鮮やかな動物の立体作品を制作する富田菜摘さんは、役割を終えた素材が持つ多様な質感や記憶を生かしながら、ユーモラスで生命力あふれる造形表現を追求してきました。たどってきた歴史を錆や傷として刻んできた廃材が、作家の手によって表情豊かな「いきもの」の作品へと生まれ変わる姿は、私たちが日常の中で何気なく捨ててきたモノたちに潜む価値や可能性を鮮やかに浮かび上がらせます。
日常の中で意識することの少ない“モノの行方”に目を向けることは、持続可能な未来を考えるうえで欠かせない視点です。 エコルとごしならではのオープンな空間で、誰もが気軽に作品と出会い、“モノの行方”を見つめるまなざしを深め、持続可能な社会や環境について思いを巡らせるひとときをお過ごしください。
////作家プロフィール////
富田 菜摘 Tomita Natsumi
美術家
1986年 東京生まれ
2009年 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
金属廃材の動物作品ほか、新聞紙や雑誌を素材にした人物作品など、身近な素材を用いてユニークな作品を制作。
中村屋サロン美術館、ヤマザキマザック美術館をはじめ、シンガポール、香港など、国内外で個展を多数開催。 また、長野県立美術館、越後妻有アートトリエンナーレなど多くのグループ展で作品を発表。
病院やTVスタジオへの作品設置、パブリックアート、行政や企業とのコラボレーション等、多方面で活動。