写真家・アバロス村野敦子は、阪神淡路大震災で倒壊した祖父・村野藤吾の自邸への追憶を起点に、それまで撮影してきた建築の写真群(現存しない建物を含む)を、自身の「体験」のイメージとして再構築しています。建築は一目で全容を把握することが難しく、またある時代を人とともに歩むという意味で時間的です。自らの「人生の出来事」として祖父の建築をまなざす写真家は、「記録」のイメージとしてではなく、建築との対話の表れとして写真を捉えます。それは現在の一瞬を平面化する写真の限界を自覚しつつも、この現在を未だ見ぬ誰かに受け取ってほしいという期待とともに、様々なる物語を生みまた失われていく建築に向き合い続けた痕跡です。こうした写真を通して「建築の本当の当事者とは誰なのか」を問い直すアバロス村野敦子の作品を、村野藤吾が設計した建築空間のなかでご覧いただきます。
展覧会名称:アバロス村野敦子写真展「Side Stories:建築と喪失」
会 期:令和8(2026)年3月28日(土)~6月28日(日)
主 催:八ヶ岳美術館、原村、原村教育委員会
機材:協力:キャノンマーケティングジャパン株式会社
会場構成EIKA studio(榮家志保、橋本亜沙美、仁科緑) 什器製作:Atelier Tuareg
助 成 金:窓研究所
協 賛:スワテック建設株式会社、諏訪信用金庫、株式会社イツミ、たてしな自由農園
関連イベント
■作家とゲストによるトーク すべて13:30~15:00/要予約/無料(入館料別途)
4月5日(日)ゲスト:笠原一人(建築史家・近代建築史/京都工芸繊維大学准教授)
倉方俊輔(建築史家・近代建築史/京都工芸繊維大学准教授)
5月17日(日)ゲスト:飯沼珠実(アーティスト)、高野ユリカ(写真家)
6月6日(土) ゲスト:佐内正史(写真家)