陶器『一楽、二萩、三●●?』絵画『温度を感じる絵画たち』
さて、●●に入る漢字2文字がわかりますか?これは茶道の世界で、日本の抹茶茶碗の好みや使い勝手を格付けしたものとして、昔から言われる言葉です。答えは「唐津」。今回の企画展では、「一楽二萩三唐津」と称される三つの茶碗をご紹介します。京都の「楽焼」は、安土桃山時代の天正年間(1573〜1592年)、千利休の求めに応じて生まれた茶碗です。轆轤(ろくろ)を使わず、手で形を整えて低い温度で焼かれるため、直接的な熱さを感じにくく、やわらかなぬくもりがあり、手の中にしっくりとなじみ、「わび」の心を感じさせる焼物です。山口の「萩焼」は、慶長年間(1596〜1615年)、毛利輝元のもとで朝鮮の陶工、李勺光・李敬兄弟によって始められました。淡いやさしい色合いと、やわらかな土の風合いが魅力です。表面の細かな貫入(ひび)に茶がしみこみ、使うほどに表情が変わることから、「萩の七化け」とも呼ばれています。佐賀・長崎の「唐津焼」は、16世紀ごろから作られ、室町時代末期から安土桃山時代(16世紀後半)にかけて発展した、素朴で力強い美しさをもつ焼物です。慶長年間(1596〜1615年)には、朝鮮陶工によってもたらされた技術によって、さらに大きく華開きました。絵が描かれたものも多く、飾りすぎない中に深い味わいがあります。茶の湯の器としても、ふだん使いの器としても親しまれてきました。楽の「利休の心に通じる内に向かう凝縮した美。」萩の「やわらかく、使うほどに器が育っていく美。」唐津の「強く、素朴で、日常と茶の湯をつなぐ美。」あなたは、どの茶碗がお好みですか。