佐野洋子は1938年北京に生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、ベルリン造形大学でリトグラフを学びました。帰国後の1971年『やぎさんのひっこし』で絵本作家としてデビュー。『おじさんのかさ』でサンケイ児童出版文化賞を受賞。短編集『わたしが妹だったとき』では新美南吉児童文学賞を受賞しています。ほかに絵本『おれはねこだぜ』『おぼえていろよおおきな木』『うまれてきた子ども』『ねこいるといいなあ』、エッセイ集に『アカシア・からたち・麦畑』『私の猫たち許してほしい』、絵本の翻訳に『かあさんのいす』『ゆかいなゆうびんやさん』などがあり、絵本、童話、エッセイ、翻訳など幅広い分野で活躍しています。
佐野洋子の絵本は文も絵も実に生き生きとしています。物語は幼い子どもの心のゆれ、変化を鋭く簡潔に表現しており、イラストレーションも自由な感性が息づき、圧倒的な存在感があります。
本展の出品作『わたしのぼうし』『だってだってのおばあさん』では子どもの心象風景を鮮やかに刻印し、『100万回生きたねこ』『空とぶライオン』では、愛することや生命のいとおしさ、人と人との繋がりなど人としての基本を子どもに分かるシンプルなことばで表現し、絵本が世代を超えた芸術たりうることを証明しています。
本展では、佐野洋子の代表的な絵本作品の原画や関連資料約150点を展示するほか、作者の図書を閲覧できるコーナー、トーク&サイン会、ギャラリートークと佐野洋子の絵本世界を多面的に紹介します。
忘れかけた幼い頃の子どもの心が一杯詰まった、伸び伸びとした個性的な絵本表現をお楽しみください。