この夏、松本市美術館は草間彌生の世界に包まれます。
草間彌生は世界的に活躍する数少ない日本人アーティストのひとりです。松本に生まれ、海外でその活動を認められた彼女は、現在も現代美術をリードし続けています。
草間の精神世界から発生したイメージはどこまでも増殖していきます。本展覧会はそのイメージを余すことなく展観するため、開館以来最大の展示面積(約3000m2)を使用し、美術館全体を草間彌生の作品としました。
渡米前、松本で描かれた作品群は少女期の草間彌生の内面を表出したかのような迫力に溢れ、見るものに心の振幅を生々しいまでに訴えかけます。水玉や網目に代表される彼女のイメージの根源がそこにあります。またニューヨーク時代から現在までの表現方法の変遷を辿るとともに、一貫して流れ続ける草間彌生のメッセージ-愛、死、再生、宇宙、輪廻・・・を体感していただければ幸いです。
今回の草間彌生展は東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、広島市現代美術館、熊本市現代美術館、松本市美術館の5館による共同企画展です。これまで「永遠の現在」(東京・京都展)、「魂を燃やす8つの空間」(広島展)、「無限の大海をいく時」(熊本展)のコンセプトのもとに、展示内容・会場構成を変化させながら様々な角度から草間彌生の魅力を紹介してきました。松本市美術館では「魂のおきどころ」と題して基本巡回作品のほか松本市美術館独自の展示を多数加え、作家出生の地で新たな草間彌生を魅せます。それは草間彌生の凱旋であり、始まりでもあります。