損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞記念　小杉小二郎展

　小杉小二郎氏は1944年、東京・滝野川（現在の北区田端）に生まれました（父は美術史家の小杉一雄、祖父は画家の小杉放庵[別号：未醒]）。インダストリアルデザイナーの叔父・小杉二郎の影響を受け、日本大学芸術学部工業デザイン科で学びました。大学卒業後はインダストリアルデザインの道に進みますが画家に転向、1968年に画家・中川一政の知遇を得て中川のアトリエに通い始めました。1970年、中川と共に渡仏、一時帰国後、再度単身でフランスに渡りパリのアカデミー・グランド・シュミエールで学び、1971年からフランスのサロン・ドートンヌに出品しています。1974年には最初の個展を日本で開催、以降フランスと日本を拠点に制作・発表を続けています。風景や花・玩具などを穏やかな形態と温かみのある色彩で描いた幻想的な油彩画の他、近年では岩彩を用いた作品や連作「聖書物語」に代表される装飾性の高い作品、ユーモラスなオブジェにも取り組んでいます。 　本展覧会では、受賞作≪月・追憶≫をはじめ、初期の作品から新作まで、オブジェ、コラージュ、連作「聖書物語」を含む60余作品を展示し、小杉小二郎氏の画業を展望いたします。