逆境の絵師 久隅守景 親しきものへのまなざし

サントリー美術館 | 東京都

久隅守景(くすみもりかげ)は、江戸時代初期の狩野派出身者のなかでも、とくに異色な経歴をもつ絵師です。守景は、狩野派中興の祖として知られる狩野探幽(かのうたんゆう)に師事し、探幽門下四天王の筆頭と目されるまでになりました。私生活では、探幽の姪・国(くに)と結婚し、二人の子供を儲けますが、娘の雪信(ゆきのぶ)は探幽の弟子と駆け落ちをし、息子の彦十郎(ひこじゅうろう)は佐渡へ島流しになるなど身内の不祥事が続いたため、探幽のもとを離れたといわれています。 狩野派という後ろ盾を失い、家族が離散状態になった逆境のなかでも、守景は描くことを止めず、精力的に制作を続けます。晩年には加賀藩前田家の招きで金沢に滞在したと伝えられ、旧加賀藩領域を中心とした北陸地方には、代表作が多数残されています。 手掛けた作品は、山水画、人物画、花鳥画、仏画など多岐に渡り、とくに農民風俗を詩情豊かに描き出した「耕作図」において独自の世界を確立しました。穏やかな自然の風景や愛くるしい子供たち、動物たちを捉えた描写からは、身近なものに注がれる温かなまなざしが感じられます。また、何気ない日常の家族の団欒を描いた最高傑作「納涼図屏風」は、晩年の守景が到達した極致といえます。狩野派の筆法を基盤にしながら、雪舟流の水墨表現とやまと絵の表現を取り入れたその画風は、当時一世を風靡していた瀟洒淡麗な「探幽様式」とは異なる、守景ならではの特徴を示しています。 生前より画名が高く、作品も少なからず現存している守景ですが、意外なことに、家系、出自、生没年など、彼の生涯について詳しいことはわかっていません。 さらに、作品に年記を添えることがほとんど無かったため、制作時期の基準となる作例が極めて少なく、画業の変遷をたどることも容易ではありません。まさに「謎の絵師」といえます。 本展では守景の作例を通して、その魅力と謎に包まれた半生に迫ります。
会期
2015年10月10日(Sa)〜11月29日(Su)
会期終了
開館時間
10:00~18:00
料金
一般 1,300円/高大生 1,000円
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
休館日
火曜日、ただし11月3日((火・祝)は開館、11月4日(水)は休館
公式サイトhttp://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2015_5/index.html
会場
サントリー美術館
住所
〒107-8643 東京都港区赤坂9-7-4  東京ミッドタウン ガレリア3F
03-3479-8600
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逆境から生まれた、穏やかな作風
「日本で一番、地味な国宝」と言われる屏風を描いた絵師をご存知でしょうか。久隅守景(くすみ もりかげ)という狩野派に属した人物です。謎の多い守景の画業に迫る展覧会が、サントリー美術館で開催されています。
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