サミュエル・イェスルン・デ・メスキータは1868年オランダに生まれた、芸術家（版画家、画家、グラフィックデザイナー）であり美術教師でした。彼自身の知名度はあまりありませんが、だまし絵でおなじみのマウリッツ・エッシャーは彼の教え子。彼はメスキータを師として、時には父のような存在として尊敬していました。ユダヤ人だったメスキータは、1944年アウシュビッツの収容所で75年の生涯を閉じました。この展覧会は、エッシャーたちが命懸けで守ったメスキータの作品を紹介する日本で最初の回顧展（巡回）です。（文：西宮市大谷記念美術館 学芸員 下村朝香）