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レポート
涼風献上 ─ 絵とやきもので暑中お見舞い ─
根津美術館 | 東京都
美術で「涼」を
「涼風献上」は、夏の盛りの便りに使われる言葉。根津美術館では美術品が「涼」をお届けします。約30点の絵とやきものによる暑中見舞いの企画展です。
(左から)重要文化財《風雨山水図》伝 夏珪筆 / 《芦葉達磨図》乾峰士曇賛 / 重要文化財《拾得図》虎巌浄伏賛
(左から)《藻魚図》韓旭筆 / 《染付鯉形置物》
(左から)《染付白鷺文皿》 / 《蓮池白鷺図》梅隠筆 / 《松鶴図屏風》
(右手前)《染付雪柴垣文団扇形皿》
(左から)《太公望図》和玉楊月筆 / 《周茂叔愛蓮図》伝 小栗宗湛筆 / 《観瀑図》芸阿弥筆 月翁周鏡ほか2僧賛
(左から)《赤壁図屏風》長澤芦雪筆 / 《観瀑図》伝 狩野正信筆
(左奥から)《染付鉄絵菊形向付》乾山銘 / 《色絵紅葉文向付》乾山銘 / 《色絵秋草文三段重箱》
展示室2は「高麗・朝鮮時代の仏画」
展覧会メインビジュアルは、風にたなびくあごひげも涼やかな老翁。入口近くで展示されている、海北友松筆 海山元珠賛の《鍾離権図(しょうりけんず)》です。

鍾離権は中国八仙の一人。八仙は日本でいうところの七福神のような存在で、美術の世界では恰好のモチーフになっています。

本作での表現は、仙術で剣に乗って空に浮遊する姿。墨の色調も淡めで、軽快な洒脱さが漂います。


海北友松筆 海山元珠賛の《鍾離権図》

現代でもそうですが、水辺に集うのは避暑の定番。芸阿弥筆 月翁周鏡ほか2僧賛《観瀑図》にも、瀧の近くに人物が描かれています。瀧の裏に書斎を構える主人を訪ねてきたのでしょう。

芸阿弥は室町時代の同朋衆(将軍の近くで芸能にあたった人々)ですが、作品の多くは応仁の乱で散逸。この《観瀑図》は確証がある唯一の作品で、国の重要文化財に指定されています。


芸阿弥筆 月翁周鏡ほか2僧賛《観瀑図》

会場には焼きものも何点か。「白磁の器に濃青色の染付」という配色は、いかにも涼やかです。

かわったものでは、形状で「涼」を感じさせるものも。《染付雪柴垣文団扇形皿》は団扇をかたどった珍しい皿で、しかも絵柄は柴垣に降り積もる雪景色です。


焼きものの展示

季節は盛夏のど真ん中ですが、当たり前のようにいずれは秋がやってきます。「伊年」印の《夏秋草図屏風》で、少し早い秋を感じてください。

夏から秋にかけて見られる草花を描いた屏風で、描かれているのは鉄砲百合、紫陽花、菊、撫子、萩、芙蓉など。うっすらと秋の気配が漂ってきたでしょうか。


「伊年」印《夏秋草図屏風》

同時に展示室2では「高麗・朝鮮時代の仏画」、展示室5では「手紙―こころを伝える―」、展示室6は「夏の茶事」を開催中。また展覧会にあわせ、NEZU CAFEではグアバ、オレンジピール、レモンのシャーベットを盛り合わせた「涼風献上」も発売中です(税込700円 9/7まで)。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年7月25日 ]



■涼風献上 に関するツイート


 
会場
会期
2014年7月26日(土)~9月7日(日)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
月曜日休館
住所
東京都港区南青山6-5-1
電話 03-3400-2536
公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/
料金
一般1000円、学生[高校生以上]800円
*中学生以下は無料
展覧会詳細 涼風献上 ―絵とやきもので暑中お見舞い― 詳細情報
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