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レポート
河鍋家伝来・河鍋暁斎記念美術館所蔵 暁斎・暁翠伝
東京富士美術館 | 東京都
画鬼も、画鬼の娘も
伝統的な狩野派の技術に加え、新時代に相応しい技法も身に着け、生前から高い人気を誇った河鍋暁斎(きょうさい:1831-1889)。幼少期から父に学んだ高い画力で、明治から昭和まで活躍した長女・暁翠(きょうすい:1868-1935)。「画鬼」(暁斎は、こう称されました)と「画鬼の娘」による注目の共演、東京富士美術館で開催中です。
(左から)《毘沙門天像》暁斎 嘉永元年(1848) / 《蛙の人力車と郵便夫》暁斎 [ともに展示期間:4/1~5/13]
《日本神話》(島々の誕生・神々の形成・須佐之男命の追放・天孫降臨・海幸と山幸)暁斎 明治11年(1878)[※会期中、場面の展示替えあり]
(左から)《幟鍾馗之図》暁斎 / 《豊干禅師・寒山拾得図》暁斎 明治9年(1876)[ともに展示期間:4/1~4/30]
《卒都婆小町画巻 下絵》暁斎 [※会期中、場面の展示替えあり]
(左から)《唐人相撲》暁斎 / 《三番叟》暁斎 [ともに展示期間:4/1~5/13]
(左から)《霊山群仙図》暁斎、暁翠 文久元年(1861)~明治25年(1892) / 《寛永時代美人図》暁翠 大正5年(1916) [ともに 展示期間:4/1~5/13]
《大和錦絵(全12枚)》暁翠 [※会期中、場面の展示替えあり]《大和錦絵(全12枚)》暁翠 [※会期中、場面の展示替えあり]
《年中行事 短冊(1,2,4~10,12月)》暁翠 [※会期中、場面の展示替えあり]

近年、大きな展覧会が相次いでいる河鍋暁斎。このコーナーでも「画鬼・暁斎 ─ KYOSAI」(2015年)、「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎!」(2017年)など、何度もご紹介しています。


本展は、河鍋暁斎記念美術館(埼玉県蕨市)の所蔵作品を主とした企画展。同館は暁斎の曾孫である河鍋楠美氏が1997年に開設。楠美氏は、祖母にあたる暁翠にかわいがってもらった記憶があるといいます。


会場ではプロローグで国芳(暁斎の師)などを紹介した後、まずは暁斎の作品から。美人、風俗、物語、幽霊、動物、風景、そして戯画と、まさに何でも描いた暁斎。バラエティ豊かな作品が並びます。


暁斎は日本での人気もさることながら、当時から海外で高く評価された事も特徴的。明治初期に来日し、生前の暁斎と交流した多くの外国人が、その力量を賞賛しています。


暁斎の作品


後半は暁翠です。暁斎が数え38歳の時に、三番目の妻との間に誕生しました。幼少期より父の英才教育を受けた暁翠は、数え17歳でデビュー。女性ならではといえる柔らかな表現で、美人画や童子図を得意としましたが、物語や風俗、能・狂言、動物など、他のジャンルも積極的にこなしました。珍しいのは戯画。女流画家が戯画を描くのは異例といえます。


あまり知られていないのが、教育者としての暁翠の姿。暁翠は、日本で初めて開設された女子の美術学校(現・女子美術大学)において、開校翌年に日本画教授に就任しました。教え子のひとりである山脇敏子は、後年ファッションの道に進み、山脇服飾美術学院(現・山脇美術専門学校)を設立。教育者としての暁翠の流れは、脈々と息づいています。


暁翠の作品


河鍋家に伝わる画稿や下絵を、数多く所蔵する河鍋暁斎記念美術館。「良い作品は残っていない」と河鍋楠美館長は謙遜しますが、創作のプロセスに触れられるのは魅力的です。もちろん、本画も優れた作品が数多く出展中。会期中に展示替えがありますので、ご注意ください。


[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2018年3月29日 ]


※写真の作品は河鍋暁斎記念美術館蔵と、一部個人蔵




■暁斎・暁翠伝 に関するツイート


会場
会期
【前期】4月1日(日)〜5月13日(日)/【後期】5月15日(火)〜6月24日(日)
会期終了
開館時間
10:00~17:00(受付は30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)ただし、4月2日(月)は開館
住所
東京都八王子市谷野町492-1
電話 042-691-4511
公式サイト http://www.fujibi.or.jp/
料金
大人 1,300(1,000)円/大高生 800(700)円/中小生 400(300)円/未就学児無料

※( )内は各種割引料金【20名以上の団体・65歳以上の方・同館メルマガ登録者ほか】
※新館常設展示もご覧になれます
※土日は中小生無料
※障がい児者、付添者1名は半額【証明書をご提示ください】
※誕生日当日にご来館された方はご本人のみ無料【証明書をご提示ください。休刊日の場合は適応できません】
展覧会詳細 河鍋家伝来・河鍋暁斎記念美術館所蔵 暁斎・暁翠伝 詳細情報
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