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特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」

■伝統と個性、書の各様
【会期は2/24まで】 唐時代の書の大家、顔真卿(がんしんけい:709-785)。初唐の三大家とは異なる美意識で、後世にも大きな影響を与えました。書の普遍的な美しさを法則化した唐時代を中心に、書の名品を国内外から集めた展覧会が、東京国立博物館で開催中です。
2013年には年始に「書聖 王羲之」、夏に「和様の書」が開催された東京国立博物館。書をテーマにした特別展は6年ぶりの開催です。

まずは書体の変遷から。秦の始皇帝が中国を統一し、公式書体として「篆書(てんしょ)」が確立。簡略化したのが「隷書(れいしょ)」。さらに実用的な速書きとして生まれたのが「草書」や「行書」。公式書体の最終形である「楷書」は、現在でも漢字の標準体です。

王羲之をこよなく愛したのが、唐の第2代皇帝・太宗です。全国に散逸していた王羲之の書をかき集め、最高傑作「蘭亭序」は自らの陵墓に陪葬。約300年前の書家が「書聖」として神格化されます。

初唐の三大家である虞世南、欧陽詢、褚遂良(ぐせいなん、おうようじゅん、ちょすいりょう)は王羲之の書法を継承。楷書の典型を完成させました。

そして、顔真卿の登場です。顔真卿は唐王朝のために、終生に渡って尽くした官僚でした。形骸化しつつあった王羲之の書法に対し、自らの情感を書に表す気運が高まる中、顔真卿は見事な書で応えていきます。

展覧会の白眉が《祭姪文稿》。内乱の犠牲になった従兄の子を供養する文章の草稿で、悲痛と義憤に満ちています。顔真卿の肉筆は世界に数点のみ。台北 國立故宮博物院から、堂々の初来日です。



続いて、日本における唐時代の書の受容について。三筆(空海・嵯峨天皇・橘逸勢)、三跡(小野道風、藤原佐理、藤原行成)の国宝・重要文化財が並びます。

顔真卿の書は、宋時代になって評価が高まります。人間性と書が結び付けられ、個性的な書が尊ばれました。

その後も、伝統的な書と個性的な書は消長を繰り返しますが、王羲之の書は真跡が存在しない事もあり、ついに神話は崩壊。野趣あふれる書風が主流になっていきました。

チラシなどでは《祭姪文稿》に大きくスポットがあたっていますが、見逃せないのが「李氏の四宝」。李宗瀚(1769~1831)による拓本コレクションの中から選ばれた4種の孤本(拓本がひとつしかないもの)で、門外不出の逸品です。4種がそれぞれ独立ケースで展示されています。

報道内覧会には中国メディアの姿も多く、関心の高さが伺えました。会期はわずか6週間、東京国立博物館のみでの開催です。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年1月15日 ]

王羲之と顔真卿:二大書聖のかがやき王羲之と顔真卿:二大書聖のかがやき

富田 淳(監修)

平凡社
¥ 2,700

料金一般当日:1,600円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場東京国立博物館
開催期間2019年1月16日(水)~2月24日(日)
所在地 東京都台東区上野公園13-9
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://ganshinkei.jp/
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