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イメージコレクター・杉浦非水展

■整理整頓、完璧です
【会期終了】 グラフィックデザイナーが「図案家」と呼ばれていた時代に、先頭に立って活躍した杉浦非水(1876-1965)。東京国立近代美術館には作品とともに、スクラップなどの資料も数多く寄贈されています。「イメージの収集家」として非水をとらえた展覧会が開催中です。
1997年に遺族から非水作品を一括で寄贈された東京国立近代美術館。700点以上の作品は、これまでも各地の展覧会で紹介されてきましたが、今回の目玉は旧蔵資料。非水がなくなるまで手元に残した資料は、ほぼ全てが初公開となります。

モノクロの写真に囲まれた部屋が、第1章「インプット ─ 世界を写す、集める、撮る」。写生帖、16ミリフィルム、雑誌の切り抜きなど、多数の資料が並びます。

若い頃から絵を描く事に夢中だった非水。美術家の写生帖は珍しくありませんが、非水の写生帖は「鳥類」「蟲類」などに分けて編集されており、中学時代と60代の写生が混在しています。仕事の為ともいえますが、それにしてもかなりの整頓マニアといえます。



スクラップも、冊子状に綴じたものはテーマ別で分類。切り抜いたままのものも「猫」「象」などと手書きされた封筒に、整理されて入っていました。

写真が好きだった非水は、16ミリなどの小型映画にも熱中。動物園で動物を撮影し、コマで動物の動きを確認して仕事に活かしていると語っています。

ムービーには、興味深い映像も残っています。親交があった藤田嗣治や、非水の妻で歌人の翠子らとともに、非水自身も写っていますが、なんと舌を出しておどける姿が。ポートレイトではきちっとした佇まいが多い非水の、意外な一面が垣間見えます。

第2章「アウトプット ─ 図案を創る、広める」は、非水の作品。前後期でほぼ作品は入れ替えられますが、前期だけでも200点超という豪華版です。

作品はあえて額装ではなく、簡易なカバーのみで展示されています。これは非水の考え方にも沿うもので、絵画や彫刻などの「純粋芸術」に対し、装飾美術や商業美術は「目的芸術」であり、'鑑賞’だけを目指してはいない、という意図です。

さらに、会場入口の大きな会場写真は、日本初の図案展覧会と言われている1912年の「書籍装幀雑誌表紙図案展覧会」の風景ですが、今回の会場は、この時の非水作品の展示手法に倣ったものでもあります。

今回は展示室内の柱も、ポスタータワーになっています。通常よりかなり高い場所まで、非水の作品で埋め尽くされています。

ポスター、本の装丁、パンフレット、パッケージデザインと、多彩な分野で活躍した非水。アール・ヌーヴォーの枠で紹介されがちですが、その表現は自由自在。どんなオーダーにも応える事ができる職業デザイナーでした。

非水は図案の仕事とは別に、自らの作品集も作っています。《非水百花譜》は美しい植物図だけでなく写真入りで植物の解説も掲載。まるで植物図鑑のような、異色の作品集です。

非水は帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)の工芸図案科長、多摩帝国美術学校(現・多摩美術大学)の校長兼図案科主任教授として、教育にも従事。教育書や資料集にも携わり、自らのアウトプットを、次世代のインプットにつなげていきました。

第2章の作品は、前期は花鳥と女性、後期は動物と風景を中心に展示されます。東京国立近代美術館で非水の展覧会を開催するのも、2000年の「杉浦非水展 都市生活のデザイナー」以来、19年ぶり。巡回はせず、同館のみでの開催となります。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年2月14日 ]

※表記が無いものは、全て東京国立近代美術館蔵

杉浦非水のデザイン杉浦非水のデザイン

杉浦 非水(著)

パイインターナショナル
¥ 3,024

 
会場東京国立近代美術館
開催期間2019年2月9日(土)~5月26日(日) ※展示替え有り
所在地 東京都千代田区北の丸公園3-1
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : http://www.momat.go.jp/
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