
明治生命館「CAFE丸の内」
国の重要文化財である明治生命館は、これまで2階を中心としていた展示エリアに加え、1階をリニューアルした。
明治生命館は、東京美術学校教授の岡田信一郎が設計し、1934年に竣工した古典主義様式の洋風建築。外観には花崗岩が用いられ、列柱が並ぶ壮重な構えが特徴で、内部には大理石や木材を用いた格調高い意匠が随所に残されている。
竣工当時の執務室、会議室、応接室なども保存されているほか、戦後には連合国軍総司令部(GHQ)に接収され、対日理事会の会場として使用。1997年に昭和の建造物として初めて国の重要文化財に指定された。
今回のリニューアルでは、昭和初期に作成された平面図や写真、建築資料、戦後期の関連資料など、これまで公開されていなかった文献を中心に紹介するコーナーを新設。建物の保存・修理の過程を解説するパネル展示も加えられ、文化財としての価値を多角的に理解できる。
館内に残された役員食堂、健康相談室、電話交換室といった設備も引き続き公開され、昭和期の企業文化を伝える貴重な空間として整備される。
1階に開設されるカフェ「明治安田CAFE丸の内」では、建物の素材感や自然光を生かした落ち着いた空間が設けられ、ドリンクやスイーツ、軽食などを提供。展示観覧と併せてゆっくり過ごせる環境を整え、歴史的建造物を身近に感じられる場となる。
一般公開は2025年11月22日(土)。展示エリアは無料。

明治生命館「CAFE丸の内」

明治生命館 食堂

明治生命館 南西隅応接室

明治生命館 資料展示室