
記念式典会場より
1月9日(金)、東京・新宿のSOMPO美術館で、開館50周年を祝う記念式典が行われ、新宿の地で半世紀にわたり芸術文化を支えてきた歩みを振り返るとともに、未来に向けた新たな一歩を祝した。
同館は1976年、当時の安田火災海上保険本社ビルの42階に「東郷青児美術館」として開館。1987年にはフィンセント・ファン・ゴッホの傑作『ひまわり』を入手し、国内のみならず世界的な注目を集めた。
2020年には、本社ビル敷地内に新設された現在の美術館棟へ移転し、新宿の街に開かれた美術館としてリニューアルオープンを遂げた経緯を持つ。
式典で、公益財団法人SOMPO美術財団の櫻田謙悟理事長は「次の50年は、たぶん私はここに居りませんが」とユーモアを交えつつ、「芸術文化で心豊かな社会を作り、未来につなぐ。美術、新宿、そして自分自身の心の再発見をしていただきたい」と、50周年のメインテーマに込めた思いを語った。
続いて、運営委員代表で東京都美術館館長の高橋明也氏は、同館の核となる東郷青児コレクションについて言及。「1920年代、世界の中心だったパリで大活躍した東郷青児のコレクションは、世界的に見ても非常に稀有で素晴らしいものだ」と専門家の視点から絶賛し、「東京都美術館もこれほどまとまったコレクションは持っておらず、大変羨ましく思う」とその価値を高く評価した。
地元・新宿区の吉住健一区長(村上京子文化観光産業部長代読)は、小中学生向けの「美術鑑賞教室」など、長年の教育貢献に謝意を表明。吉住区長本人は「ビルが建った頃に生まれ、かつては高層階へ行くのが少し怖かった思い出もある。新宿大好き人間が集まるこの街で、今後も文化発信を続けてほしい」と期待を寄せた。
西脇芳和館長は、1月10日(土)から始まる記念展について「入社当初から新宿展をやりたいと熱望していた若手学芸員の情熱が形になった。新宿の豊かな歴史と魅力を再確認してほしい」とスタッフの尽力を称えた。
同館では10日から、開館50周年記念展の第1弾として「モダンアートの街・新宿」を開催する。中村彝や佐伯祐三など、明治から昭和にかけて新宿に集った芸術家たちの軌跡をたどる内容で、2月15日(日)まで行われる。

SOMPO美術館の歩み

「モダンアートの街・新宿」展 会場より