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面河山岳博物館 インスタグラムより
身近な存在でありながら、未だ多くの謎に包まれている昆虫、カブトムシ。その分類や生態、人間社会との関わりを多角的に掘り下げた一冊が、昆虫ファンの間だけでなく、多くの注目を集めている。
愛媛県久万高原町の面河山岳博物館が発行した教育普及冊子『真・カブトムシ』が、第40回愛媛出版文化賞の第一部門(研究・評論)において奨励賞を受賞した。同書は2024年開催の特別展の内容をまとめたもので、近年明らかになった天敵の存在や成虫の昼行性といった生態など「自然史」の側面だけでなく、戦後から平成にかけて愛媛県内でカブトムシが飼育昆虫として普及していった過程を追う「文化史」の側面も掘り起こしている。このようにカブトムシの生物学とローカルな歴史・文化を横断して一冊にまとめた資料は類を見ず、その独創性が高く評価された。
こうした「自然と人間の関わり」を深く探究する同館の姿勢は、現在注力している公式インスタグラムでの発信にも一貫している。
同館のインスタグラムでは、石鎚山系や久万高原町のフィールドワークで捉えた昆虫や哺乳類などの生々しい姿や生態、季節ごとに移ろう渓谷や森林の絶景が、学芸員ならではの視点で綴られている。最新の研究成果に基づく解説はもちろん、タイムリーな自然情報など、地域に根差した活動を徹底している同館らしい投稿に対し、SNS上では「着目点が独特過ぎる」「森で見つけたのはこの虫だったのか!」といった反応が寄せられている。
西日本最高峰石鎚山の麓、標高650mにある同館は、愛媛県の県庁所在地である松山市から車で90分という、決してアクセスしやすい立地ではない。しかし、インスタグラムという身近な媒体を通じて多岐に渡る活動や久万高原町の自然・文化の魅力が日々発信され、多くのファンを育てている。
受賞作の背景にある知的な熱量に触れ、石鎚山系の豊かな自然を多角的に体感できる公式インスタグラム。まずはその「現場の息遣いと探究心が伝わる発信」をフォローして、春の訪れとともに同館を訪れるための予習とするのも、博物館ファンらしい楽しみ方といえる。

面河山岳博物館 インスタグラムより

面河山岳博物館 インスタグラムより