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大西黙堂《千蟲戯画》町立久万美術館蔵
美術作品に描かれた動植物は、生物の専門家の目にはどう映るのか。愛媛県久万高原町にある「面河山岳博物館」と「町立久万美術館」による、分野の垣根を越えたユニークな連携企画がインスタグラム上で公開され、話題を呼んでいる。
今回注目したのは、久万美術館が所蔵する掛軸『千蟲戯画(せんちゅうぎが)』。これは愛媛出身の画人・大西黙堂(おおにし ぼくどう/1851-1921年)が大正期に描いたとされる作品で、昆虫や両生類、爬虫類たちが大名行列のように二足歩行で練り歩く姿を、戯画(おかしみのある絵)として表現したものだ。
この企画では、写実的かつ奇抜に描かれた生き物たちを、面河山岳博物館の学芸員が「生物学的な視点」から紐解いていく。例えば、行列の先頭を切るアカハライモリについては、腹部の模様の特徴から瀬戸内海沿岸地域の個体である可能性を推察。また、のたうち回るような動きを見せるムカデについては、毒を注入する「顎肢(がくし)」の特徴にまで踏み込んで紹介している。
小規模自治体ならではの機動力を活かした、異分野ミュージアム連携によるこの試み。単なる美術鑑賞に留まらず、描かれた当時の自然環境や生き物の生態を掘り下げることで、作品の新たな楽しみ方を提示している。
この「学芸員による作品解説」は複数回にわたり、面河山岳博物館の公式インスタグラムにて順次公開される予定だ。無数に描かれたバッタの仲間や、小さすぎて不鮮明な昆虫についても、形や色彩などの情報から謎解きのように絞り込んでいく様子は注目だ。
名画の細部に隠された「自然」にフォーカスし、新たな発見による驚きと感動を、インスタグラムを通じて体験してみてはいかがだろうか。 名画の細部に隠された「本物の自然」を探る知的な冒険を、インスタグラムを通じて体験してみてはいかがだろうか。

大西黙堂《千蟲戯画》町立久万美術館蔵(部分) 行列の先頭部分

《千蟲戯画》に登場する、実際の生き物
