
両芸術祭の概要を説明する、熊谷俊人千葉県知事
千葉県で2027年春、「房総国際芸術祭 アート×ミックス2027」と「空・水・空芸術祭」の二つの芸術祭が開催される。2026年10月2日に企画発表会が開かれ、参加作家や作品展開、音楽プログラムなどが発表された。
発表会の冒頭では熊谷俊人千葉県知事が、8月の豪雨や台風25号による大雨で、二つの芸術祭の開催地域にも土砂崩れや浸水などの被害が出たことに言及。芸術祭を、地域の復旧から復興へとつなげる取り組みにしていきたいと語った。また千葉県として初めて芸術祭事業に参画し、市町と県がそれぞれの地域の個性を生かしながら協働する意義も強調した。
「房総国際芸術祭 アート×ミックス2027」は、市原市、木更津市、大多喜町を舞台に、2027年3月6日(土)から5月30日(日)まで開催。テーマ・コンセプトは「五感全開、旅する房総 ―みんなの美術工房―」で、総合プロデューサーを小林武史、総合ディレクターを北川フラムが務める。
市原市で2014年から開催されてきた「いちはらアート×ミックス」や、2024年に内房総5市で展開された「百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」の流れを受け継ぎ、今回は市原市、木更津市、大多喜町が会場となる。
19の国と地域から90組のアーティストが参加予定。旧里見小学校を活用した「みんなの美術工房」をはじめ、小湊鐵道沿線、市原湖畔美術館、木更津市のKURKKU FIELDS、大多喜町の城下町など、各地で作品を展開する。
アート作品だけでなく、音楽や食も大きな柱となる。音楽ライブは3月に市原市、4月に大多喜町、5月に木更津市と、会場地域を巡る形で開催予定。小林は、若い世代に企画や運営を引き継いでいきたいとの考えも示した。KURKKU FIELDSでは新たなミュージアムの開設も予定されている。
北川は、旧里見小学校を会期中だけでなく通年の工房として活用する構想や、小湊鐵道の駅を巡るプロジェクト、地域の産業や農業、福祉施設などと結びついた作品展開を紹介。今回の災害を受け、参加アーティストの制作も今後変化していく可能性があるとした。
一方、「空・水・空芸術祭」は、成田市、印西市、栄町を中心に、2027年3月20日(土)から5月23日(日)まで開催される新たな芸術祭。千葉県と3市町が連携し、総合ディレクターを北川フラムが務める。
名称の「空」は世界とつながる成田国際空港、「水」は印旛沼や利根川、そして「空(くう)」には、人や自然、歴史などが互いにつながって存在するという考えが込められている。
成田市文化芸術センターや成田山表参道周辺、印西市の旧宗像小学校や旧宗像郵便局、印旛歴史民俗資料館、栄町の千葉県立房総のむらやドラムの里などで作品が展開される。
北川は「水」をめぐる地域の歴史や暮らしを芸術祭の重要な要素として挙げた。企画を進める中で今回の水害が発生したことにも触れ、被害を受けた地域の人々とともに活動しながら、土地本来の魅力を伝えていきたいと述べた。自然の恵みだけでなく、その大きな力とも向き合う芸術祭になりそうだ。
「房総国際芸術祭 アート×ミックス2027」は2027年3月6日(土)~5月30日(日)。作品鑑賞パスポートは一般3,500円など。
「空・水・空芸術祭」は2027年3月20日(土)~5月23日(日)。作品鑑賞パスポートは一般2,500円など。

発表会場より