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    レポート
    画業60年還暦祭 バロン吉元☆元年
    弥生美術館 | 東京都
    劇画から大型絵画まで
    1960年代から70年代にかけて、劇画ブームの第一線で活躍した漫画家・バロン吉元。「柔俠伝」シリーズをはじめ「どん亀野郎」「黒い鷲」「殴り屋」などの人気漫画のほか、近年は絵画に軸足を移し、積極的な創作を続けています。今年でデビューから60年、記念の展覧会が弥生美術館で開催中です。
    (左から)《昭和柔俠伝 第3話 勇猛なり その10》1972年1月20日号「週刊漫画アクション」(双葉社)本稿原画 / 《昭和柔俠伝 第3話 勇猛なり その10》1972年1月20日号「週刊漫画アクション」(双葉社)扉絵原画
    (左から)《ベトコンの女豹》1967年5月27日号「漫画ストーリー」(双葉社)扉絵原画 / 《白い墓穴》1967年5月13日号「漫画ストーリー」(双葉社)扉絵原画
    《十七歳シリーズ 絵梨子のしあわせ》1972年8月23日号「ヤングコミック」(少年画報社)本稿原画
    (左から)《サントリーマイルドウォッカ 樹氷 ポスター》1978年 サン・アド蔵 / 《現代柔俠伝 蛟龍期 29》1976年1月22日号「週刊漫画アクション」(双葉社)扉絵原画
    《現代柔俠伝 青春期 30》1974年8月1日号「週刊漫画アクション」(双葉社)本稿原画
    (左から)《どん亀野郎 北極光編》1975年8月1日 小学館 表紙絵原画 / 《どん亀野郎 珊瑚礁編》1974年7月15日 小学館 表紙絵原画
    (左から)《大学の親分 No.19 花ならケシを!!》1978年12月22日号「週刊漫画TIMES」(芳文社)本稿原画 / 《大学の親分 第4巻》1979年12月 芳文社 扉絵原画
    (左から)《魅妖》1999年 / 《雅心》2000年
    (左から)《CRISIS(1)》2018年 / 《CRISIS(2)》2018年 / 《CRISIS(3)》2018年
    バロン吉元の大規模展は、美術館では初めての試み。往年の劇画から大型絵画の近作まで、創作の歩みを振り返ります。

    会場は2部構成、1階は漫画作品です。

    バロン吉元(本名:吉元正)は1940年、旧満州国生まれ、鹿児島県指宿市育ち。高校時代より画家を志し、武蔵野美術大学西洋画科を中退後、漫画家・横山まさみちのアシスタントに。ファッションイラストレーターの長沢節に学んだ経験は、漫画作品にも活かされています。

    1959年で短編漫画「ほしいなァ」が貸本短編誌に入選し、プロの漫画家へ。1967年には「漫画ストーリー」(双葉社)で商業誌デビューします。

    実はバロン吉元というペンネームは、同誌の編集長が勝手に命名したもの。別のペンネーム案は「ドクロ吉元」でした。

    バロンの代表作が「柔俠伝」シリーズ。1970年から「週刊漫画アクション」で連載がはじまり、「昭和柔俠伝」「現代柔俠伝」「男柔俠伝」「日本柔俠伝」「新柔俠伝」と、10年に渡って続いた人気作品です。

    「柔俠伝」シリーズのヒロイン・吹雪茜は、1978年に発売されたサントリーの「樹氷」の広告にも登場。コピーライター・仲畑貴志による「樹氷にしてねと、あの娘は言った。」の名コピーで、広まりました。

    バロンの作画で驚かされるのが、筆による描写。漫画はペンで描くのがセオリーですが、幼少期から筆に親しんでいたバロンは、筆による美しい描線を追及しました。

    線の密度で濃淡を表現する「かけ網」も、バロンの十八番です。スクリーントーンは1950年代半ば以降に普及しましたが、バロンは手描きでのかけ網にこだわりました。作品を近くで見ると、その高い技術がよく分かります。



    会場2階は、大型の絵画作品が中心です。

    バロンは1980年に全ての漫画連載を終わらせると、突如渡米。画家を目指していた少年時代の初心に立ち返り、1985年に帰国した後は、漫画と並行して絵画制作を始めます。

    画家としての活動は「龍まんじ」の雅号でゼロのキャリアからスタート。90年代に入ると公募展にも出展するようになり、複数の賞を受賞しています。

    2000年代に入ると、作品は紙からキャンバスへ。作品の大きさも拡大していきました。

    2階の奥には、本展のために描かれた新作3点も出品されています。漫画もネーム無しで書き始めるというバロンですが、絵画も白いキャンバスにいきなり黒のマッキーでアウトラインを描き出すという驚きの手法。頭の中のイメージをそのまま作品に投影できるのは、バロンならではといえます。

    展覧会は前期が2月17日(日)まで、後期が2月19日(火)~3月31日(日)。劇画作品と大型絵画作品の一部が展示替えされます。会場は一部を除いて写真撮影が可能。劇画作品を親しんだ方も、知らなかった方も、ぜひお楽しみください。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年1月7日 ]

    バロン吉元画集 男爵バロン吉元画集 男爵

    バロン吉元(著)

    パイインターナショナル
    ¥ 3,672

     
    会場
    会期
    2019年1月3日(木)~3月31日(日)
    開館時間
    10:00~17:00(入館16:30まで)
    休館日
    月曜日(ただし、1月14日・2月11日は開館)、1月15日、2月12日
    住所
    東京都文京区弥生2-4-3
    電話 03-3812-0012
    公式サイト http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/
    料金
    一般 900円 / 大・高生 800円 / 中・小生 400円

    ※竹久夢二美術館もご覧いただけます
    展覧会詳細 画業60年還暦祭 バロン吉元☆元年 詳細情報
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