2026年は建築家ガウディ没後100年、そしてサグラダ・ファミリアのメインタワー「イエスの塔」が完成を迎えた年です。 大阪駅近くのVS.(グラングリーン大阪)では、空間演出を得意とするクリエイティブカンパニーであるNAKED, INC.が、ガウディ財団からのオファーを受けて公式展覧会を開催しています。

Area1:旅の始まり
自然豊かな環境で幼少期を過ごしたガウディは、自然界のなかに美や合理性を見出すようになります。 植物などにインスピレーションを得てデザインされた建築物のモチーフには、美しさとユーモラスさが共存します。 実物は塔の上にあったりもしますので、こんなに間近に見るチャンスは貴重です!

Area2:記憶の森
若きガウディはどんな作品を手掛けたのでしょうか。
卒業制作である短手断面図は、図面ではなく完成した建物が描かれているような美しさがありました。大胆な建物が緻密なタッチで描かれている絵画のような印象です。

Area3:創造のるつぼ バルセロナ
30歳を超えた頃の作品である「カサ・ビセンス」。バルセロナの太陽を思わせるような明るい色合いのタイルは、現地に咲いていた花をモチーフにしたとのこと。

Area3:創造のるつぼ バルセロナ
見るだけではないのが、この展覧会の面白さ。
ガウディが実際に使ったメソッドを体験することができるのです。 天井から吊るした鎖と錘を使い重力の力で逆さ吊りの形状を作り、そのまま反転させると安定した構造となると、ガウディは考えました。 100年以上後の世界に生きる私たちは、デジタルやAIの力を借りて自分なりのデザインを体感します。なんだか弟子入りが叶った気分です。

Area4:ガウディの工房
ガウディは、建築だけでなく家具やドアノブなどの設計もしていました。
例えばこのチェア、突拍子もないデザインに見えますが、座ってみると本当に心地いいのです。 グエル公園のベンチを作る時には、労働者を座らせて角度などを調整したというエピソードが腑に落ちます。

Area5:生命のかたち

Area5:生命のかたち
世界初展示の自筆原稿も展示されています。
筆跡心理学的分析が行われていて、さすがのガウディも100年後に筆跡鑑定をされるなんて、想像できなかったのではないでしょうか。

Area5:生命のかたち
勿論サグラダ・ファミリアを堪能するコーナーも。 精巧な模型でここまでのおさらいをした後には、迫力ある映像の世界へ。 時空を超えたバルセロナを旅しているような高揚感を感じました。

Area6:サグラダ・ファミリア:永遠の聖堂
「私のクライアントは急いでいません。」と話したガウディは、現在の様子をどのように見ているのでしょうか。 サグラダ・ファミリアは、着工より140年以上が経過しているものの、実は技術の進歩により当初の予定より150年も工期が短縮されているそうです。
「イエス」が完成することで、いよいよ工期の終焉が見えてきたこととなりますが、反面、未完成であることの価値と意味を実感できる期間も残り僅かとなりました。
過去、現在、そして未来のガウディの世界を、会場で体感してみてはいかがでしょうか。
[ 取材・撮影・文:カドタミキ / 2026年5月20日 ]