イタリア北部の都市ボローニャでは、毎年、子どもの本専門の国際見本市が開催されます。その見本市にあわせて、世界最大級の絵本原画のコンクールが開催され、2026年、60回目を迎えました。今年は94の国と地域から4,158組の応募があり、日本人7人を含む33の国と地域から75組が入選を果たしました。
西宮市大谷記念美術館において、全ての入選作品を紹介する「ボローニャ国際絵本原画展」が始まりました。 毎年愉しみな展覧会、さて、今年はどんな作品に出会えるでしょうか。

西宮市大谷記念美術館 エントランス
この作品から飛び出した愛嬌たっぷりの大きな牛(ミノタウロス)が美術館入口で出迎えてくれています。
「かいぶつたち」は、①ゆきおとこ、②ミノタウロス、③ベッドの下のかいぶつ、④フランケンシュタイン、⑤千の目をもつかいぶつ、が描かれていてみんな愛嬌たっぷり。

アリーチェ・ピアッジョ(イタリア)≪かいぶつたちのおしごと≫
ミュージアムショップでは、左端の猫のトートバッグが販売中です。猫好きの方へのお土産にもおすすめです。

ジ・ミラン(韓国)≪猫は知っている≫
この原画の絵本も展示されていて、絵本コーナーで手に取ることができます。

イネス・ヴィエガス・オリヴェイラ(ポルトガル)≪数えてくれる?≫
今年は全体的に明るい色味の作品が多かったように感じました。

展示室風景
まず、タイトルに驚きましたが、読み進めていくと最後の展開にもさらに驚かされるお話。

ホン・ソヒ(韓国)≪復讐するは我にあり≫
今回、日本人は7人が入選を果たしました。丸岡永乃さんの《よこがおひめ》が大きくプリントされた垂れ幕が展示会場入口に掲げられているのを頼もしく拝見しました。この場面のお話は、「つぎの展覧会の準備がはじまっている…」本展にうってつけの素敵な作品です。

丸岡永乃(日本)≪よこがおひめ≫
やさしくノスタルジックな絵に引き寄せられてストーリーを追うと、ラストはもの哀しい。

リュシー・プノー(フランス)≪プラスチックの風車≫
今回一番の注目作品はこちら、十変化するタコを描いています。
①王冠とサンタ、②花火と溶岩、③シャンデリアとパラシュート、④イチゴと泡だて器、 ⑤天蓋とバドミントン・チャン・イールンさんの豊かな想像力とデザイン力とカラーリングに魅かれて、気づけば 三度戻り、絵の前にたたずんでいました。

チャン・イールン(中国)≪タコはどこ?≫
入選作のほかに特別展示されている「2025 ボローニャSM出版賞」を昨年受賞したマリア・ハイドゥクの原画を観ることができます。毎年ボローニャ展で入選した35歳以下の作家から1名が選ばれ、SM出版から絵本出版の機会が授与されます。
2025年は、当時19歳のマリア・ハイドゥクさんが最年少受賞し、ウクライナの童話を元に≪コツキーさん≫を制作・出版しました。日本の童話とは味わいが違っていて、静謐で美しい絵に魅了される作品です。制作過程のドキュメンタリー映像も見応えがあります。

マリア・ハイドゥク(ウクライナ)≪コツキーさん≫
鑑賞後のお楽しみミュージアム・グッズコーナーには、原画展で鑑賞してきた作家の絵本も並んでいます。壁一面の窓から丁寧に手入れされた庭園を眺めつつ、お気に入りの記念の品をじっくり見つけてください。

ミュージアム・グッズコーナー
「2026 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」では、会期中に関連イベントが開催されます。また、芦屋市立美術博物館にて開催中の「チェコ絵本の作り方」展との連携企画プレゼントも用意されているようですのでホームページをご確認ください。
それでは、残暑厳しきおり、お気に入りの作品を見つけに心地良い空間にお出かけください。
[取材・撮影・文:hacoiri / 2026年8月28日]