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レポート
フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線
森美術館 | 東京都
53階の東京を、透明作品が借景
フランスで最も権威ある現代美術コレクターの団体「ADIAF」が主催する「マルセル・デュシャン賞」。同賞の10周年を記念して、森美術館ではフランスの現代美術を紹介する展覧会が開催中です。
リシャール・フォーゲ《無題》2001年 アントワーヌ・ド・ガルペール氏蔵--__--パリ ◇自転車盗難が多いパリを揶揄するような作品。
リシャール・フォーゲ《無題》1996年-2004年 国立現代美術基金(FNAC)蔵,パリ Courtesy:ART:CONCEPT, Paris ◇美術史上の傑作のシルエットをカッティングシートで壁に貼り付けたもの。奥の部屋には本展覧会イチオシの、マチュー・メルシエによる透明の窓がありますが、残念ながら版権の都合で掲載不可。ぜひ会場でご覧ください。
クロード・クロスキー《フラット・ワールド》2009年 Courtesy: Galerie Laurent Godin, Paris and Galerie Mehdi Chouakri, Berlin ◇テーブル上にばらまかれたモノクロ写真は、地球の反対側の航空写真が表裏にプリントされており、自由に手に取ってみることができます。
展示室。5つのゾーンで構成されています。
サーダン・アフィフ《どくろ》2008年 ロックウール二重天井、塗料、木、ステンレス鋼球、照明 サイズ可変 国立現代美術基金(FNAC)蔵、パリ Courtesy: Galerie Michel Rein,Paris 撮影: 渡邉 修
森美術館入口

マルセル・デュシャンの名前は知らない方も、普通の男子用小便器にサインをした作品「泉」については、どこかで目にした方もいるのではないでしょうか。デュシャンは1887年にフランスで生まれた芸術家。既製品(レディ・メイド)を用いた作品などで知られる、現代美術の先駆者です。


彼の功績に敬意を表してその名を冠したマルセル・デュシャン賞は、2000年に設立。インスタレーション、ビデオ、絵画、写真、彫刻などの造形および視覚芸術の分野でフランスのアートシーンを牽引する作家たちの活動を支援し、国際的に紹介しています。


 


今回の展覧会「フレンチ・ウィンドウ展」は、フランス窓をモチーフにしたデュシャンの代表作「フレッシュ・ウィドウ」にちなんだもの。展覧会のキーワードは「窓」で、「デュシャンの窓」「窓からの眺め」「時空の窓」「精神の窓」「窓の内側」の5ゾーンで構成されています。


最初のゾーンはデュシャンの主要作品。前述の「泉」「フレッシュ・ウィドウ」をはじめ、モナリザにちょび髭を落書きした「L.H.O.O.Q.」、4連のコートフックを床に置いただけの「罠」など、デュシャンの主要作品を紹介しています。


 


続いてマルセル・デュシャン賞の受賞作家など、フランスの現代作家たちの作品です。現代社会を比喩した社会性の強い作品が目につくなかで、筆者のイチオシはマチュー・メルシエによる透明な窓 《無題》。デュシャンの「フレッシュ・ウィドウ」のオマージュで、デュシャンの作品が窓の部分を黒皮で覆っているのに対し、メルシエの窓は枠も含めて全て透明です。作品は53階にある森美術館の窓際に展示されており、透明の窓越しに東京の街を贅沢に借景する、というユニークな趣向でした。


震災の影響で開幕が1週間遅れましたが、嬉しいことに会期は延長されて8月28日(日)までになりました。火曜日以外は22時まで見られますので、夜景と一緒に楽しんでもいいですね。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2011年3月25日 ]

会場
会期
2011年3月26日(土)~8月28日(日)
会期終了
開館時間
月・水~日曜日10:00~22:00
火曜日 10:00~17:00
(いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで)
*展覧会により変更する場合がございます。
*最新情報は、美術館のウェブサイトをご確認ください。
住所
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://www.mori.art.museum/
展覧会詳細 フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線 詳細情報
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