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レポート
モディリアーニを探して ―アヴァンギャルドから古典主義へ
ポーラ美術館 | 神奈川県
エコール・ド・パリの寵児を、箱根で
生前は望んだ評価を得られず、35歳の若さで死去し、さらにその2日後には妻が後追い自殺。悲劇のイメージが先行するモディリアーニ。今回は10点の油彩、そして素描と彫刻の計19点、また彼を取り巻く画家たちの作品を通し、リアルの姿を探す試みの展覧会です。
アメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる娼婦》1917年 大阪新美術館建設準備室蔵
第1章 1906-1909 パリ・モンマルトル、デルタ通り
第2章 1909-1914 パリ・モンパルナス、シテ・ファルギエール
カフェ風のコーナーではタッチパネル端末で「つながりモディリアーニ~年代から見る交友関係~」を見ることができる
右)アメデオ・モディリアーニ《肘をつく男性裸体像》1919年 個人蔵
第4章 1918-1920 ニース~パリ
《ポール・アレクサンデル博士の肖像》の前で解説する担当学芸員の島本英明さん
同時開催の美術をじっくり楽しむプロジェクト「じっくり/JIKKURI」
充実のポーラコレクションも必見
モディリアーニは、20世紀初頭に芸術の最先端都市であったパリに世界中から集まった若き芸術家たちのひとり。いわゆる「エコール・ド・パリ(パリ派)」の代表的な作家として知られます。

1906年、22歳でパリに出てきたモディリアーニは、モンマルトルを中心に活動。モディリアーニはそこで、医師で若手芸術家を支援していたポール・アレクサンデルと出会います。芸術家の友人を多く持つポールは、モディリアーニに多くの出会いをもたらし、芸術活動を援助しました。

本展ではモディリアーニが描いたポールの肖像が展示されています。ポールの背後にかけられた絵は、彼が購入したモディリアーニの初期作の「ユダヤの女」です。


アメデオ・モディリアーニ《ポール・アレクサンデル博士の肖像》1909年 ヤマザキマザック美術館蔵

モディリアーニはパリに来た当初から彫刻家を目指していました。当時、万博などでプリミティブ美術への注目度が高まっており、モディリアーニもこれらの造形に高い関心を示していました。その影響は大量に残されたカリアティード(女像柱)の素描作品や彫刻作品に見ることができます。

残念ながら、モディリアーニはもともと体が弱く、さらに金銭的に負担の大きな石彫刻の制作は断念せざるをえませんでした。


コンスタンティン・ブランクーシの《接吻》を中心に、モディリアーニの素描と彫刻が並びます

モンパルナスにアトリエを移したモディリアーニは、肖像画を描き始めます。肖像画のほとんどは知人や友人、カフェ「ラ・ロトンド」で声をかけた人々でした。

モディリアーニは1917年に生前唯一の個展を開催。裸婦を描いた油彩5点のうち、2点が外に面したウインドーに飾られましたが、初日に公序良俗に反するとして撤去を要求されてしまいます。パリの画商たちからは徐々に注目されつつあったモディリアーニですが、残念ながら個展は成功とは言い難いものとなりました。


特徴的なフォルムで知られる肖像画には、彫刻を志した影響が見られます

1919年にロンドンで行われた展覧会では、出品作に多くの買い手が付き、世間の評価は少しずつ変わり始めます。ですが、モディリアーニの健康状態は徐々に悪化。1920年に身重の妻と娘を残し、他界します。パリのペール・ラシェーズ墓地へ向かう葬列には、芸術家仲間だけでなく、カフェのウエイターや多くの市井の人々も加わりました。

カフェを模したスペースでは、タッチパネルの「つながりモディリアーニ」でモディリアーニを取り巻く人々を知ることができます。モディリアーニについて、実は伝記的な資料はほぼなく、彼の友人たちの証言で紐解くしかありません。展覧会の入り口には、友人たちのモディリアーニへの深い友情や尊敬の念が感じられる証言が紹介されています。


大型モニターのほかに、テーブルに設置されたタブレットでも見ることができます

エコール・ド・パリのコレクションが充実していることでも知られるポーラ美術館。本展でも、モディリアーニの油彩7点と素描以外は、すべてポーラ美術館のコレクションです。

展示室2と3では印象派などのコレクション展示も。モネやルノワール、レオナール・フジタ、黒田清輝、高橋由一、横山大観など見ごたえ抜群。こちらも見逃せません。ボリューム満点のポーラ美術館で贅沢な時間を過ごしてください。
[ 取材・撮影・文:川田千沙 / 2014年4月4日 ]

モディリアーニの恋人 (とんぼの本) [単行本]

新潮社

橋本 治 (著), 宮下 規久朗 (著)
¥ 1,512

 
会場
会期
2014年4月12日(土)~9月15日(月・祝)
会期終了
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
年中無休(展示替の為、臨時休館あり)
住所
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話 0460-84-2111(代表)
0460-84-2111(代表)
公式サイト http://www.polamuseum.or.jp/special/modigliani_2014/
料金
大人 1,800(1,500)円/シニア割引(65歳以上) 1,600(1,500)円/大学・高校生 1,300(1,100)円/中学・小学生(土曜日無料)700(500)円/障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)1,000円
展覧会詳細 モディリアーニを探して ―アヴァンギャルドから古典主義へ 詳細情報
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