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レポート
フェルディナント・ホドラー展
国立西洋美術館 | 東京都
パラレリズムを唱えた、スイスの国民画家
スイス出身の芸術家はパウル・クレーやアルベルト・ジャコメッティが知られますが、スイスで最も人気があるのはフェルディナント・ホドラー(1853-1918)。日本とスイスの国交樹立150周年を記念し、日本では約40年ぶりとなる大回顧展です。
(右)《インターラーケンの朝》
(左から)《ルイーズ=デルフィーヌ・デュショーサルの肖像》《ラルデの娘の肖像》
(左から)《恍惚とした女》《遠方からの歌Ⅲ》《悦ばしき女》
(右)《昼 Ⅲ》
(左から)《ミューレンから見たユングフラウ山》1914年 / 《ミューレンから見たユングフラウ山》1911年
壁画《無限へのまなざし》の再構成が試みられている
(左から)《木を伐る人》《草を苅る人》
(左から)《白鳥のいるレマン湖とモンブラン》《白鳥のいるレマン湖とモンブラン(3月)》
スイス・ベルンの貧しい家に生まれたホドラー。7歳で父が死去した事をはじめ、1885年までに実の両親や兄弟すべてを結核で失いました。

ホドラーの活動初期に「死」を連想させる作品が少なくない事は、しばしばこの生い立ちとの関連が指摘されます。ただ、世紀末のヨーロッパ芸術全体が、憂鬱で退廃的な傾向の作品を求めていたのも事実です。


会場入口 第1章「光のほうへ ─ 初期の風景画」

20世紀を迎える頃になると、ホドラーの作品には変化が見られます。

類似する身ぶりを反復させたり、シンメトリックに配置。「パラレリズム」(平行主義)という独自の美術理論を唱えました。

以後、ホドラーの作品には踊る女性たちが数多く描かれる事となります。


第3章「リズムの絵画へ ─ 踊る身体、動く感情」

クレーはドイツ、ジャコメッティはフランスに出て活躍したのとは対照的に、ホドラーは生涯にわたってスイスにとどまりました。

スイス・アルプスの自然も、ホドラーの恰好のモチーフ。ユングフラウ山やシュトックホルン山群、レマン湖などをくり返し描きましたが、風景画も1900年代以降は次第に抽象化されていきます。


第4章「変幻するアルプス ─ 風景の抽象化」

1904年の第19回ウイーン分離派展で大成功をおさめたホドラーは、国際的な名声が確立します。

国家的な仕事も増え、1908年にはスイス・フラン紙幣の図案を制作。そして1910年に、新しく建設されたチューリヒ美術館の階段吹き抜けの壁面絵画を依頼されました。

壁画は、踊る5人の女性が並ぶ《無限へのまなざし》。フレスコではなく油彩画で、この壁画が最終設置されたのはホドラーが亡くなる直前、1918年のことでした。

本展では《無限へのまなざし》の習作を紹介。原寸大の写真も展示されており、その巨大さが理解できます。


第6章「無限へのまなざし ─ 終わらないリズムの夢」

1975年に国立西洋美術館京都市美術館で「ホドラー展」が開催されましたが、大規模な展覧会はそれ以来です。2015年1月24日(土)~4月5日(日)には、兵庫県立美術館に巡回します。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年10月6日 ]

TOKYO美術館 2014-2015

 

エイ出版社
¥ 1,026

料金一般当日:1,600円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon


■フェルディナント・ホドラー展 に関するツイート


 
会場
会期
2014年10月7日(火)~2015年1月12日(月・祝)
会期終了
開館時間
9:30〜17:30
金曜・土曜日 9:30〜20:00
※「カフェすいれん」以外のミュージアムショップ等の館内施設の営業は開室時間と同じ
休館日
月曜日休館 ただし10月13日、11月3日、11月24日は開館、翌火曜日は休館、12月28日~1月1日
住所
東京都台東区上野公園7-7
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://hodler.jp/
料金
一般 1,600(1,400)円/大学生 1,200(1,000)円/高校生 800(600)円
※中学生以下は無料
※()内は20名以上の団体料金及び前売り料金
※心身に障害のある方および付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください)
展覧会詳細 フェルディナント・ホドラー展 詳細情報
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