
《塞翁飼馬図屏風》 曾我蕭白 1758-61年頃
「人生万事塞翁が馬」という諺(ことわざ)をご存知ですか。「人生は良いことも、悪いことも予測できない」という意味です。古代中国の故事が由来です。
ある老人の馬が逃げたとき、周りの人々は同情しましたが、後日その馬が優れた馬を連れて帰ってきました。その後、その馬に乗った老人の息子が落馬して足を骨折…。人々が再び同情すると、今度はその怪我のおかげで兵役を免れ、生き延びることができました。
この作品は、以上のお話にもとづくものです。作者は、「奇想の絵師」として有名な曾我蕭白(1730~1781)。くせの強い人物描写など、奇怪な世界観が魅力的な絵師です。
ここに描かれた老人と息子の姿に、蕭白の独特な人物描写を見ることができます。少し怖くて、怪しい雰囲気が漂っていませんか。息子の足はすでに骨折しているのではないかと思えるほど、不思議な形をしています。
担当者からのコメント
京都の絵師・蕭白は、伊勢(三重県)に何度か遊歴し、この地に多くの作品を残したたため、伊勢ゆかりの絵師でもあります。当館が所蔵する蕭白作品は、国内最大の蕭白コレクションとなっています。
さて、「人生は良いことも、悪いことも予測できない」ということでしたが、2026年は良い年になるような気がします!
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