
《福馬》 和田邦坊 昭和41年
愛知県一宮市に伝わる郷土玩具「一宮のおん馬」を描いた色紙絵。邦坊は戦前の時事漫画家時代から郷土玩具に親しみ、戦後も「讃岐おもちゃの会」に参加していました。邦坊旧蔵資料のなかには同じ馬の人形はありませんでしたが近所にあった金刀比羅宮の学芸参考館には全国各地の郷土玩具コレクションがあり「一宮のおん馬」も収蔵されています。古今東西の午の玩具が揃うなか邦坊画伯と目が合ったのがこの馬の人形だったのかもしれません。さて賛は「福馬」とあります。流麗すぎる「馬」という文字ですが駿馬の疾走感を表現したような個性的な一文字です。1年の始まり、馬の瞬発力にあやかって良いスタートダッシュになりますように
担当者からのコメント
今年も色紙絵から干支アワードの作品を選出しました。この色紙絵は、お歳暮用に描いていた恒例のシリーズ作になります。当時の制作風景の写真をみると床いっぱいに色紙を広げており、相当な数を描いていたことが分かります。美術館にも同じ絵柄の色紙絵を3点所蔵していますが、それぞれ馬の表情や文字の流麗さが違い、間違いなく肉筆画であることが分かります。ただいま企画展「邦坊へんてこアート展」にてその3点を同時公開中です!ぜひお越しください~
企画展「邦坊へんてこアート展」
2025年10月4日(土)~2025年3月2日(月)
休館日火曜日・水曜日・年末年始12/30.12/31.1/1
https://kyuman.art/event/exhibition/entry-941.html
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