
《ポニー》 野田修一郎 1982(昭和57)年 紙本着色 145.5×97.0cm
甲府市出身の野田修一郎(1931年/昭和6年~1993年/平成5年)は、東京芸術大学で日本画を学び、日展を中心に活躍した日本画家です。一貫して馬を主題に独自の画風の構築を追究した野田。「一生描き続けても、馬の絵は究め尽くせないのではないでしょうか」という言葉を残しています。1988(昭和63)年には山梨県立美術館主催の「郷土作家シリーズ」第1回展の作家として選出され、馬をモチーフに描いた作品を中心に25点が展示されました。山梨県の日本画壇をけん引していく存在として期待された野田でしたが、61歳という若さで亡くなり、その早逝が惜しまれました。
担当者からのコメント
《ポニー》は、野田が遠野に取材して描いた一連の作品中の1点です。春に生まれた仔馬が佇む姿を丁寧に描写しており、仔馬に向けた野田の優しい眼差しを感じることができます。野田は、小さいながらもしっかりとした体つきの仔馬に、これから成長していく命の力強さを見たのかもしれません。馬への愛と生命への讃歌が込められた、野田作品中珠玉の1点です。
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