
《二重橋楠公銅像》 楊斎延一画 1899年 慶應義塾図書館(ボン浮世絵コレクション)
気品と優美さをたたえて道を渡る御料馬車を迎える堂々たる騎馬像。
現在も二重橋の皇居前広場に残る楠木正成像が印象的な、色鮮やかな浮世絵です。この騎馬像は、正慶2年(1333)年に隠岐ノ島から戻った後醍醐天皇を出迎えた楠公の勇姿をあらわしたもの。この浮世絵では、明治天皇を堂々たる楠公が出迎える構図となっています。華やかな御料馬車をひく、よく訓練された馬たちの格長高い走りと、腹部と下腿に血管が浮き出た、荒々しい楠公の馬の勢いが対照的です。
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