
《出家踰城図浮彫》(しゅっけゆじょうずうきぼり)
片岩 パキスタン、スワート地方 2世紀
担当者からのコメント
愛馬カンタカに跨がり、今まさにカピラヴァストゥ城を出て出家に向かう、シッダールタ王子をあらわした浮彫です。王子の左側、両手でショールを頭上に広げるのは、夜の女神ニュクス。シッダールタが旅立ったのが夜中であることを暗示しています。画面左端には心配そうな眼差しで王子を送り出そうとする城の守護神テュケーなど、仏教彫刻でありながらギリシア神話の神々が登場する本作は、東西文化交流がうかがえます。
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