
《義家朝臣過関》 (部分) 森村宜稲
平安時代後期の武将である源義家が詠んだ歌があります。
「吹く風をなこそのせきと思へども道もせに散る山桜かな」(『千載集』所収)
陸奥国と常陸国の境にあったと伝えられる勿来の関(なこそのせき)は歌枕として知られ、義家のこの和歌は多くの画家に好まれました。
本作もそのひとつです。
描いたのは明治から昭和にかけて活躍した名古屋の日本画家・森村宜稲。尾張藩の儒者森村宜民の子で、歴史画や花鳥画を得意とし、また古画研究にも注力しました。
担当者からのコメント
淡彩で軽やかに仕上げられた作品です。柔らかな彩色や馬のしっぽの筆遣いにご注目ください。
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