あなたの知らない仏陀に出会う
仏陀の生誕地インドでは、当初偉大さゆえに人の姿を描くことは避けられ、法輪や仏足石などの象徴でその存在が示されていました。しかし、入滅から約500年後、紀元1世紀頃のガンダーラで、人間像としての仏像表現が本格的に幕を開けます。インダス川流域に位置するガンダーラは古来より東西交通の要衝でした。アレクサンドロス大王の東征以降に浸透したギリシア・ヘレニズム文化、さらにローマ帝国を含む地中海世界の文化要素が重層的に交錯し、類まれな写実性を備えた仏陀の造形が誕生したのです。そこで刻まれたのは仏陀像や仏陀の生涯を描く仏伝図でした。母の脇腹から誕生した直後、七歩進んで「天上天下唯我独尊」(てんじょうてんげゆいがどくそん)と唱え、歩む先に蓮華が咲きました。青年時代には、圧倒的な武勇を見せつけ、突進する巨大な象を片手で受け止めて放り投げ、知略においても大人たちを凌駕する「完璧な王子」の姿が表現されました。そして、出家の場面では、神々の助力を得て愛馬の蹄の音を消し、高い城壁を飛び越えて王宮を脱出する緊迫の「脱出劇」が現れます。人間の限界を超えた修行を経て、悟りを開き、火を吹き、水を操り、空中に浮遊して、異教の術師たちと繰り広げる凄まじい「異能力対決」を見せます。東西文化交流の歴史的な広がりとともに、時代を超えて語り継がれてきた「超人」としての仏陀の奇跡の物語を、ガンダーラの至宝とともにご堪能ください。
(公式サイトより)